2008年6月21日土曜日

過去問(無効及び取消し、条件及び期限)

いっきに進め。BGMはGUITAR RENAISSANCE(渡辺香津美)
  • 甲は、未成年者であるが、親権者丙の同意を得ないで乙に甲所有の高価な壺を売却した場合には、甲は、成年者となる前は、丙の同意を得たときでも、売買契約を追認することができない。(5-8-2)
× 未成年者は、意思能力を有する限り、法定代理人の同意を得て自ら完全に有効な法律行為をすることができ、同意を得て追認することもできる。被保佐人、被補助人も同様であるが、成年被後見人は成年後見人の同意を得ても追認することはできない。
  • AはBの詐欺により錯誤に陥り、Bからある動産を買い受ける旨の売買契約を締結したが、その後、Bが売買代金請求権をCに譲渡し、その旨をAに通知した。AがBの詐欺にもかかわらず売買契約を追認しようと考えた場合、その追認はCに対してではなく、Bに対してしなければならない。(12-1-イ)
○ §123は「取り消すことができる行為の相手方が確定している場合には、その取消し又は追認は、相手方に対する意思表示によってする。」としているが、この相手方とは取り消し得べき法律行為の相手方をいう。したがって、本問では契約の相手方であるBに対してしなければならない。
  • 解除条件付法律行為がされた場合において、その条件が成就したときには、その法律行為は、その法律行為の時にさかのぼって効力を失う。(59-4-1)
× 解除条件付法律行為は、条件成就の時より効力を失うのが原則である。また、停止条件付法律行為は、条件成就の時から権利が発生する。なお、停止条件、解除条件ともに、特約があれば遡及させることもできる。
  • 贈与契約に贈与者が欲するときは、贈与した物を返還するものとする旨の条件を付したとしても、その贈与契約は有効である。(59-4-4)
○ §134「停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみに係るときは、無効とする。」 つまり、「返済したいと思うときに返すよ」はダメ。本問の場合、贈与者(債務者)が欲すれば欲すれば贈与した物を返還するという解除条件であり、有効である。
  • 相殺の意思表示に、条件を付すことができる。(2-16-2)
× 相手方の法律上の地位を著しく不安定にすることになるため、相殺の意思表示に条件又は期限を付すことはできない(§506Ⅰただし書き)。このほか、解除、取り消し、買い戻し、選択債権など単独行使権ともいうべき権利に条件をつけることはできない。

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