2008年6月29日日曜日

自分自身への戒め

ざっと問題を解いて、間違えた問題・あやふやだった問題は説明を読み、問題番号にチェック……。多分、今までの私はこれでとどまっていたから、時間を空けて同じ問題をやるとまた同じように間違えていたのだろう。

図書館や喫茶店で問題を解くときには従来型で良いが、復習するときには、とにかく何でその答えなのか、場合分けの理解は正しいか、きっちり詰めるようにしようと思う。(あと、問題を解いてから復習までのタイムラグも縮めよう。)

3回目の本試験直前の時期にようやくそんなことが分かるなんて、レベルが低いんだろうな。ま、ゆっくりでも一歩一歩進もう。

あやふやだった肢の一覧は、プリントして細切れ時間に見る。レジュメも、節目節目で読み返す。とにかく、忘却防止に努めよう。

過去問(占有一般)

占有一般の過去問の復習。
  • 占有権の譲渡は、占有の目的物に対する外形的な支配の移転によってのみ効力を生ずる。(63-15-5)
× 占有権の譲渡の態様は①現実の引渡し②簡易の引渡し③占有改定④指図による占有移転--の4通り。外形的な支配の移転がない②③④でも占有権の譲渡の効力が生じる。
※ 占有改定は公示方法として4つの中で最も不完全→質権設定(§344)、即時取得(§192)など、要物性を強く要求するものには不適用。
  • 意思無能力者は、法定代理人によって物の占有を取得することができるが、物を自ら所持することによっては、その占有を取得することができない。(1-6-1)
○ 自己占有の成立要件は①所持すること②自己のためにする意思があること。意思無能力者は自ら物を所持しても占有を取得できない。ただし、法定代理人を通じて取得することはできる。
  • 土地の所有者が死亡して相続が開始した場合、相続人が当該不動産が相続財産に属することを知らないときでも、自主占有を取得する。(3-2-5)
○ 相続人は、相続財産を現実に支配するに至ったか否かに関係なく、被相続人が有していた(観念的)占有権を承継する(最判昭44.10.30)。本来、占有は目的物の事実的支配を基礎として成立するものだが、この判例のように解さなければ、相続人が支配財産を現実に支配していない場合に、相続人が占有回収の訴えを提起できないなどの不都合な結果を生じるため。
  • 悪意の占有者は、占有物が滅失したときは、その滅失が自己の責めに帰すべからざる事由によるものであっても、回復者に対し、損害の全部を賠償する義務を負う。(14-11-エ)
× 悪意の占有者であっても、過失責任の原則により、占有物の滅失につき帰責事由がないときは、回復者に対し、損害賠償義務を負わない。
参考:§191「占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって滅失し、又は損傷したときは、その回復者に対し、悪意の占有者はその損害の全部の賠償をする義務を負い、善意の占有者はその滅失又は損傷によって現に利益を受けている限度において賠償をする義務を負う。ただし、所有の意思のない占有者は、善意であるときであっても、全部の賠償をしなければならない。」
つまり……
・善意・自主占有→現存利益の賠償
・善意・他主占有→損害の全部
・悪意・→→→→→損害の全部
  • Bは、Aからパソコンを詐取し、これをCに売り渡した。Cが詐取の事実を知っていたときは、Aは、Cに対し、占有回収の訴えによってパソコンの返還を請求することができる。(15-9-ウ)
× 占有回収の訴えは、占有を侵奪された場合にのみできる。詐取、横領、遺失により占有を失った場合には、できない。本問では、そもそもBに対しても占有回収の訴えができず、Cに対してできるはずがない。
※占有回収の訴えの相手方(被告)となりうる者は?
 ①侵奪者(詐取、横領、遺失は対象外)
 ②侵奪者からの包括承継人
 ③侵奪者からの悪意の特定承継人
→侵奪者からの善意の特定承継人に訴えることはできない。したがって、本問でBがAからパソコンを「盗んだ」場合でも、Cが盗品だと知っていたときは、AはCに対して、占有回収の訴えができる。
→本問がBがAからパソコンを「盗んだ」場合で、Cが盗品だと知らなかったのであれば、AはCに対して、占有回収の訴えができない。
  • Aは、Bに預けていた壺の返還を求めていたが、Bが言を左右にして返還に応じなかったので、Bの自宅に無断で入り、壺を取り戻したところ、Bから占有回収の訴えを提起された。Aはこの訴訟において、抗弁として、壺の所有権が自分にあると主張することはできない。(15-9-エ)
○ §202Ⅰ「占有の訴えは本権の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない。」Ⅱ「占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。」 そもそも抗弁とは、原告の主張に理由が無いことを主張するためにするものであり、原告が①占有権の存在 ②被告が占有侵害をしている事実--を主張しているのに対し、防御方法として所有権の主張はできない。なお、本権に基づく反訴を提起することはできるうーん、我ながら理由付けが怪しい。民訴がしっかり理解できていないのがばれるな。民訴がもう少しきっちり分かったら、こっそり理由付けを書き直します。
  • Aの自宅の隣接地にあった大木が落雷を受け、Aの自宅の庭に倒れ込んだため、Aは、庭に停車していた車を有料駐車場に停めざるを得なかった。この場合、Aは、当該隣接地の所有者であるBに対し、占有保持の訴えにより大木の撤去を請求することができるが、損害賠償を請求することはできない。(15-9-オ)
× 占有保持の訴え(§198)は、妨害の停止及び損害賠償ができる。このうち、妨害の停止の請求については、妨害者の故意・過失は不要である。一方、損害賠償については、妨害者の故意・過失を要する(大判昭9.10.19)。この損害賠償請求は、不法行為に基づく損害賠償請求としての性質も有するため。本問では、Bの故意・過失に基づく侵害とはいえないため、妨害停止の請求はできるが、損害賠償請求はできない。
※占有訴権の請求内容
・占有保持の訴え=妨害の停止及び損害賠償(例外は上記の通り)
・占有保全の訴え=妨害の予防又は損害賠償の担保
・占有回収の訴え=物の返還及び損害賠償
※占有訴権の行使期間(おまけ)
・占有保持の訴え=妨害の存する間、妨害の止んだ後1年以内(工事着手から1年経過及び工事完成後は不可)
・占有保全の訴え=妨害の危険の存する間(工事着手から1年経過及び工事完成後は不可)
・占有回収の訴え=侵奪から1年以内。

過去問(明認方法、物権の消滅)

民法物権。さくさく進もう。BGMは、引き続き「GAME(Perfume)」。
  • Aが甲土地をBに譲渡し、Bが甲土地上に立木を植栽した後、Aが甲土地を立木も含めてCに譲渡し、Cが甲土地について所有権移転の登記を経由した場合、Bは、Cが所有権移転の登記を経由する前に立木に明認方法を施していれば、立木の所有権をCに対抗することができる。(12-13-エ)
○ 土地については二重譲渡による対抗関係(§177)なので登記で決着するが、立木については、§242ただし書きを類推して、権限に基づく所有権の取得を認めており、明認方法を施していれば第三者に対抗することができる。
参考:§242「不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。」
  • 債務者の承諾なくして留置権者が勝手に留置物を賃貸した場合、留置権は消滅する。(2-4-3)
× §298Ⅱ「留置権者は、債務者の承諾を得なければ、留置物を使用し、賃貸し、又は担保に供することができない。ただし、その物の保存に必要な使用をすることは、この限りでない。」とはいえ、これに違反しても、債務者が留置権の消滅請求ができるに過ぎない。
  • 鉄材の買主甲が、代金未納のまま売主乙からその鉄材の引き渡しを受け、倉庫業者に保管を委託し、引き渡した場合には、乙は、当該鉄材を目的とする先取特権を失う。(2-19-イ)
× §333「先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。」第三者への追求効を取引の安全を害するため。ここでいう第三者は、所有権取得者に限られ、本肢のように取引の安全とは無関係な受寄者に対しては当然に追求できる。
  • 連帯債務者の1人が債権を譲り受けた場合、その債務者の負担部分について混同により消滅するので、残余の部分につき、他の債務者に対して権利行使することができる。(3-22-エ)
× §438「連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は、弁済をしたものとみなす。」他の債務者は全債務を逃れることができる。しばらく債権からはなれたら、こんな肢すらあやふやになってしまった。過去の勉強があやふやだったんだな。反省。

過去問(登記請求権)

民法物権の登記請求権の過去問。BGMは、「GAME(Perfume)」。
  • 担保物権者は、物権的請求権を行使することができない。(1-5-5)
× 担保物権は目的物の交換価値を直接的・排他的に支配する権利。したがって、目的物の交換価値を減少するような侵害行為があった場合は、原則としてこれに対して物権的請求権を行使することができる。

過去問(「不動産物件変動における公示」の続き)

過去問いきます。BGMはCymbalsの「Neat,or Cymbal!」。その後が、EveryLittleThingの「Crispy Park」。
  • Aがその所有する不動産をBに贈与した後死亡し、遺留分の権利を有するAの相続人Cが、遺留分減殺請求をした場合には、Cの遺留分減殺の登記がなされないうちに、Bが、その不動産をDに譲渡して所有権移転の登記をしたときであっても、Cは、Dに対し、遺留分減殺による所有権の取得を対抗することができる。(6-18-ウ)
× 遺留分権利者(相続人)と減殺請求後の譲受人は対抗関係。§1040Ⅰただし書きは適用されない(§177、最判昭35.7.19)。
参考:§1040Ⅰ「減殺を受けるべき受贈者が贈与の目的を他人に譲り渡したときは、遺留分権利者にその価額を弁償しなければならない。ただし、譲受人が譲渡の時において遺留分権利者に損害を加えることを知っていたときは、遺留分権利者は、これに対しても減殺を請求することができる。
  • Aの相続人はB及びCであったにもかかわらず、Bが、Cも相続人であることを知りながら、自己単独名義の相続登記をした場合であっても、相続回復請求権の消滅時効(民法第884条)が完成したときは、Cからの相続登記抹消請求に対し、Bは、相続回復請求権の消滅時効を援用して対抗することができる。(6-18-エ)
× 相続回復請求権の規定(§884:「相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から二十年を経過したときも、同様とする」)は、相続を巡る法律関係を早期に安定化させるという短期消滅時効の趣旨が妥当するため、共同相続人相互間においても適用される(最大判昭53.12.20)。しかし、共同相続人の一人が自己の相続分を超えて相続財産を占有管理している場合に、他の共同相続人の相続権を害することに悪意又は有過失であれば、本条は適用されず、侵害排除請求に対して相続回復請求権の消滅時効を援用して対抗することはできない。(最大判昭53.12.20)。
  • Aがその所有する甲土地をBに売却し、さらにBが当該土地をCとDに二重に売却した。Bが甲土地をCとDに二重に売却した後、Aが未成年を理由に売買の意思表示を取り消した場合には、Cは、その後に所有権移転登記を経由すれば、A及びDに対し、自己の所有権を対抗することができる。(10-14-オ)
× 制限行為能力を理由とする取り消しは第三者保護規定がなく、取り消し以前に所有権を取得したCはたとえ登記を得たのが取り消し後だとしても、Aに対抗できない。また、Cは無権利者となっており、Dに対しても対抗できない。なお、Aが取り消した後にCが所有権とその登記を得たならばA・C間は対抗関係となるが、しっかり区別すること。
  • AとBが甲土地をAの単独所有とする遺産分割協議をした後、Bが甲土地につき勝手に単独相続の登記をした場合、これをAから買い受けたDは、Bに対し、その所有権移転登記の全部の抹消を請求することができる。(13-6-4)
○ Bによる単独相続の登記は実体関係を反映していないため無効である。相続により単独で所有権を得たBから所有権の譲渡を受けたDは完全な所有権を得ており、Bに対して所有権移転登記の全部の抹消を請求することができる。
  • 自己所有の土地上に未登記建物を所有するAが当該土地に抵当権を設定し、Bが競売によって当該土地を買い受けた場合、Aは、当該建物について登記をしていない以上、当該建物の所有権をBに対抗することができず、したがって、当該建物に係る法定地上権は、成立しない。(14-6-ア)
× 土地の抵当権設定当時その土地上の建物に(保存)登記がなかった場合でも、法定地上権は成立する(大判昭14.12.19)
  • Aは、その所有する甲不動産をBに譲渡した後、背信的悪意者Cに二重に譲渡して所有権移転登記をした。その後、Cは、甲不動産を背信的悪意者でないDに譲渡し、所有権移転登記をした。この場合において、Bは、Dに対し、甲不動産の所有権の取得を対抗することができる。(16-11-イ)
× 買主の代理人として行動すべき者が買主になった場合などの背信的悪意者に対しては登記がなくても対抗できる。しかし、背信的悪意者から取得した転得者は前主の背信性に影響されず、登記の欠缺を主張できる第三者に該当する。(イメージ:A→Cを「X」)
  • A所有の甲不動産について、その所有者をBとする不実の登記がされている。この場合において、Aから甲不動産を譲り受けたCは、その旨の所有権移転登記をしていなくても、Bの相続人Dに対し、甲不動産の所有権の取得を対抗することができる。(16-11-エ)
○ 登記記録上、所有者として表示されているに過ぎない架空の権利者は§177の第三者に当たらない(最判昭34.2.12)。また、その包括承継人も同様である。
  • 甲土地が、AからB、BからCへと順次譲渡され、それぞれその旨の所有権移転登記がされた。その後、Aは、Bの債務不履行を理由にAB間の売買契約を解除した。この場合、Aは、Cに対し、甲土地の所有権の自己への復帰を対抗することができる。(17-8-イ)
× 不動産売買契約が解除される前に買主から当該不動産を譲り受けた第三者は、登記を備えている場合には保護される(最判昭58.7.5、大判大10.5.17)。この際、第三者の善意悪意は問わない。

第40回、質権まで

第40回の講義が終了。質権まで終わった。いよいよ、次回から抵当権に突入。
講義回数は、民法で120回なので、これで、3分の1が終わったことになる。って、まだ3分の1? 結構、先が長いな。へこたれずにがんばろう。

それでは、今日は、来週の試験会場でもある金沢大学に行き、会場を下見しつつ、大学図書館で過去問に当たってきます。

あ、今、雨が強くなった。大学は駐車場から校舎、図書館まで結構歩くんだよなあ。行く前から、少し気が重くなってしまった。それでも、質権までの過去問はきっちりやってこよう。

質権の途中まで、ドアラ遠のく

39コマ目、質権の途中まで。

あうー、力尽きた。脳味噌が筋肉痛だ。結局、留置権、先取特権、質権(の途中)まで講義を受けては見直し、の繰り返しでこの時間になってしまった。
こりゃ、明日に担保物権まで終わらすってのは無茶ですな。先取特権、質権まできっちり分かる状態にしつつ、過去問のおさらいがちゃんとできればOK、というところかな。むしろ、無理して抵当権までがしがし進むよりは、その前までの少しあやふやなところをきっちり固めた方が良さそうだ。ドアラは、また次の目標を掲げて、ゲットを目指そう。

今夜はもう寝る。明日またがんばろう。

2008年6月28日土曜日

帰宅

ただいま帰宅。約10分前、近所の図書館の学習室(?)で、物権の過去問を終了した。問題数が30問。まあまあのペースかな。

今から、担保物権の講義を受ける。脳みそが疲れて講義を受け付けなくなったら、物権の過去問をこのブログでおさらいしていこう。

2008年6月27日金曜日

ドアラへの道

講義は第35回目まで終了。物権が終わって担保物権の大枠の紹介まで。ふー。

昼は、図書館で所有権まで過去問を終わらせた。(ブログでの復習は後回し……。)あとは、共有、地上権、地役権だけなので、明日、さくっと終わるはず……っていっても、合計29問か。なめてかかると手強いな。とにかく、あと2日で担保物権まで終わらすという目標を立てちゃったので、明日もがしがし進めたいと思う。

ところで、昨年、一昨年には、土・日曜日で一日中勉強に使える日でも、10~15問程度しか進められなかったような気がする。それと比べ、昨日、今日は、各35問と、私にとっては結構ハイペース。「ドアラ」がよい「ニンジン」になっているかも。

32回、共有まで

共有まで、第32回が終了。それでは、図書館に行って、過去問と奮闘してきます。
  • 共有者が「持分放棄」するには、登記しなければ第三者に対抗できない。
    →持分放棄した共有者がその登記をしない間に第三者に持分譲渡した場合、他の共有者と第三者は177条の対抗関係となる。
  • 共有者の1人が死亡し、相続人不存在が確定したときは、次の順序で行う(最判平1.11.24)。
    ①まず、特別縁故者へ財産分与の対象となる(§958の3)
     「登記の目的 甲持分全部移転
      原    因 年月日民法第958条の3の審判」
    ②特別縁故者が不在の場合は、255条を適用する。
     「登記の目的 甲持分全部移転
      原    因 年月日特別縁故者不存在確定」
  • 共有物の不分割特約は、5年を超えない範囲でできる。
    →5年を超える期間の不分割特約は、5年に引き直されるのではなく、特約自体が無効となる。
  • 不分割特約があっても、持分の譲渡はできる。
    →特約を譲受人に主張するためには、不分割特約の登記が必要。

勉強合宿状態で目指せ「フリーダムスタードアラ」

体が曜日感覚を覚えているのか、いつもの「平日」時間に起きてしまった。こりゃ、勉強合宿状態。あと3日間でどれだけ進められるかな。

ところで、勉強の合間でネットを見たのだが、「フリーダムスタードアラ」が気になる。なんか、誘惑に勝てず買っちゃいそうだな、どうせ買うなら自分の中の発憤材料に使いたいなということで、日曜日までに民法の担保物権まで終わらせられたら「自分へのご褒美」で買うことにした。ちょっときつめの目標だけど、それぐらいがっつり進まなければ2日も会社を休んだ意味がない。それにしても、「自分へのご褒美」ってまるでOLさんみたいだな。

そうとなれば、「眠い」なんて言っている暇はない。気合いで目指せ、フリーダムスタードアラ。

2008年6月26日木曜日

31回が終わり

第31回を終了。所有権に入り、共有の途中まで。

「Online Study」で受講しているのですが、急に新しい講義を開けなくなってしまい、いったんログアウトしたら、今度はログインすらできなくなってしまった。今はメンテナンス時刻ではないはずだが。サーバーの調子が悪いのか、こっちのパソコンの調子が悪いのか。こういうのを体験してしまうと、オンライン学習はおっかなく感じてしまう。ま、ちょうど30回の節目だし、ぼちぼち切り上げる時間なので、今日についてはこれでちょうど良いのだけれど……。(と思っていたら、しばらく経ったら接続できるようになった。というわけで、31回も受講。)

それにしても、ペースをもう少し上げていきたい。がつがつ進もう。
  • 各種の占有の訴えに対して、本権(所有権)に基づく反訴を提起することができる。(§202)
  • 隣地の竹木は、枝が境界線を越えるときには、竹木の所有者にせん除させることができるが、勝手にせん除することはできない。→プライバシー権(覗いちゃダメ)
  • 共有不動産について、不法行為に対する損害賠償請求は単独でできるが、賠償額については自己の持ち分のみを行使できる。(最判昭51.9.7)

過去問(不動産物件変動における公示)

頭がぼーっとしてきていたので、ひとシャワーあびてきた。シャキーン。再び過去問。BGMはビヨンド・スタンダード(HIROMI’S SONICBLOOM)。このアルバムの中でも9曲目の「I've Got Rhythm」は頭がしゃきっとして目が覚める感じで好きです。
  • 甲は、その子乙に対しある土地を贈与したが、その登記をしないまま死亡し、乙及び丙が甲を相続した。甲がその財産の全部を丙に包括的に遺贈し、丙がその土地についてその旨の登記をした場合には、乙は、その土地の所有権の全部を有することを丙に対して主張することができない。(57-15-2)
× §990「包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。」→丙が単独相続した場合と同様に、乙は丙に対して所有権の全部の取得を主張できる。
  • ある不動産の所有者Aが死亡し、その相続人が甲及び乙である場合において、その不動産につき乙が相続放棄をしたのにもかかわらず、その単独名義に相続登記をし、これを丙に譲渡した場合には、甲は、丙に対して、所有権の全部を主張することはできない。(58-15-4)
× 相続放棄によって権利を取得した他の相続人は、登記なくしてこの取得を第三者に主張することができる。理由:①相続放棄は原則、3カ月以内にしなければならない(§915)ため、第三者が介在する余地が少ないため②家庭裁判所が関与するため、第三者に不測の損害が生じる余地が少ないため。対比:遺産分割協議の場合は、登記が必要。
参考:§915Ⅰ「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。」
  • 甲が自己所有の土地上にある建物を所有者の乙から譲り受けた後、その土地のみについて抵当権を設定していたところ、その抵当権が実行されて丙がその土地を買い受けた場合においても、建物が乙の登記名義のままであるときには、甲は、丙に対して、法定地上権を主張することができない。(59-19-2)
× 登記名義人のいかんに関わらず、「土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったとき」(§388)の要件を満たすので、その建物について、法定地上権が成立する。
  • XがYから甲土地に関して所有権移転を受けたが登記未了だった。XがYから買い受けるに先立ち、Zが20年間占有していたことにより甲土地を時効取得していた場合、ZがXの「登記の欠缺を主張するにつき正当な利益を有する第三者」に該当する。(2-2-ウ)
○ 対抗関係となる(最判昭33.8.28)。問題文が、「ZがXに対抗できる」かどうかを聞いているかと勘違いしてしまった。本問では「対抗関係(§177)となる」かどうかを聞いている。質問の意図を間違えないこと。
  • XがYから甲土地に関して所有権移転を受けたが登記未了だった。ZがYの被相続人から甲土地を遺贈されたがその所有権移転登記を受けていない場合、ZがXの「登記の欠缺を主張するにつき正当な利益を有する第三者」に該当する。(2-2-オ)
○ 対抗関係となる(最判昭39.3.6)。問題文が、「ZがXに対抗できる」かどうかを聞いているかと勘違いしてしまった。本問では「対抗関係(§177)となる」かどうかを聞いている。質問の意図を間違えないこと。
  • Aがその所有する土地をBに売却したが、その登記がされない間に、Aの債権者Cがその土地に仮差押えをした場合であっても、Cが一般債権者にすぎないときは、Bは土地の所有権をCに主張することができる。(4-15-エ)
× 仮差押債権者は、登記がなければ対抗できない第三者に当たる(大判昭9.5.11)。
続きはまた明日。

過去問おさらい(物権変動総論)

物権の過去問に入ろう。BGMはThe Violin Muse~The Best of Ikuko Kawai(川井郁子)
  • 抵当権の設定の登記をした者は、その後、他人の虚偽の申請によってその登記が抹消された場合でも、その抵当権をもって第三者に対抗することができる。(60-8-2)
○ 抵当権設定登記が抵当権者不知の間に不法に抹消された場合には、抵当権者は対抗力を喪失せず、登記上利害関係のある第三者(その後新たに抵当権を取得し登記した者など)に対し自己の抵当権を対抗することができる(最判昭36.6.16)。そりゃ、これで対抗できなかったりしたらかわいそうだわな。
  • 当事者間で合意した代物弁済の目的物の所有権移転時期が経過しただけでは、代物弁済の効果は生じない。(4-10-イ)
○ 代物弁済はその意思表示をするだけでは足りず、登記その他引き渡し行為を終了し、第三者に対する対抗要件を具備したときにその効力が生ずる(最判昭39.11.26)。不動産所有権の譲渡をもって代物弁済をする場合、債務消滅の効力を生じるには、原則として、単に所有権移転の意思表示をしただけでは足りず、所有権移転登記手続きの完了を要する(最判昭40.4.30)。なお、このことは、代物弁済による所有権移転の効果が、原則として当事者間の代物弁済契約の意思表示によって生ずることを妨げるものではない(最判昭57.6.4)。
  • Aが所有する土地上に建物を建築することを請け負ったBは、自らすべての材料を提供して建物を完成させたが、Aが請負代金を支払わないので、自己名義の所有権保存登記を経由した後、この建物をCに譲渡し、所有権移転登記を経由した。この場合、AからCに対して返還請求又は妨害排除請求をすることができる。(11-16-エ)
○ 請負人Bは自ら建築材料を提供しているので建物所有権を原始取得するが、もともと土地利用権限はなくせいぜい黙示の使用貸借が存するにすぎず、使用借権の譲渡に必要な貸主Aの承諾も認められないから、Cはいかなる土地使用権限も取得し得ない。したがって、Aは土地の所有権に基づき、Cに土地の返還請求ないし妨害排除請求をすることができる。
  • A所有の土地上に不法に建てられた建物の所有権を取得し、自らの意思に基づきその旨の登記をしたBは、その建物をCに譲渡したとしても、引き続きその登記名義を保有する限り、Aに対し、自己の建物所有権の喪失を主張して建物収去土地明渡しの義務を免れることはできない。(14-8-エ)
○ 物権的請求権の相手方は、原則的に現に他人の物権を侵害している者である。しかし、他人の所有地に不法に建てられた建物の所有権を取得した者が自らの意思に基づきその旨の登記をした上で当該建物を譲渡した場合には、引き続きその登記名義を保有する限り、土地所有者に対し、自己の建物所有権の喪失を主張して建物収去土地明渡しの義務を免れることはできない(最判平6.2.8)。
  • 一般の先取特権を有する者は、不動産について先取特権の保存の登記をしなくても、その不動産につき未登記の抵当権を有する者に対抗することができる。(19-9-1)
○ §336「一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない。」
  • 根抵当権の一部譲渡の登記は、対抗要件ではなく効力発生要件である。(19-9-5)
× 根抵当権の一部譲渡の効力発生のためには、譲渡人と譲受人の合意及び根抵当権設定者の承諾が必要である。しかし、登記は対抗要件であり、必要ない。

連休で連勉

今日、明日は、試験が近いということでお休みを取った。職場では勉強していることを明かしていないが、結構さりげなく休みにできたのがうれしい。今日から4日間は勉強三昧だ。ちなみに、来週末、つまり本試験のある週末は、土曜日に半日、仕事をしなければなりません。何だってこんなときに、と愚痴をこぼしてもはじまらない。幸い、というべきか、今年は「記念受験」的なポジションになってしまっているので、前日に追い込みの時間が削られるのは別に大して痛くない。来年は、きっちり直前に休めると良いのだが……。

ということで、4連休初日の今日は、図書館に行ってきた。物権の過去問を35問とテキストのおさらい。さしあたって、占有権の直前まではきっちりできた。半年前にやったときと同じ肢で同じように間違えるとうんざりするが、これが今の私の実力ということだろう。今夜、過去問学習のおさらいをこのブログでやって、少しでも間違えたorあやふやだった肢の知識を定着させよう。

明日から占有権、所有権……と物権をやる。抵当権の前まではさくさくっと進めたいな。

2008年6月22日日曜日

蒸し暑かった

図書館が蒸し暑く、耐えられなくなり帰ってきてしまった。こんなことで試験本番は耐えられるのか?

さしあたって、民法総則で残っていた「時効」の過去問いってみよう。(BGM:リュミエール(村治佳織)
今回で、民法総則の過去問は終了。物権もちゃっちゃかちゃっちゃか進めよう。
  • 被保佐人が保佐人の同意を得ないで債務の承認をした場合であっても、時効の中断の効力を生ずる。(61-4-1)
○ §156「時効の中断の効力を生ずべき承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力又は権限があることを要しない。」との条文通り。なお、管理能力・権限は必要だが、被保佐人は管理能力を有するため、保佐人の同意を得ることなく、単独で債務の承認をすることができ、それにより時効中断の効力が生じる。
  • 夫婦の一方が他の一方に対して有する債権の消滅時効は、婚姻解消の時から進行を始める。(61-4-5)
× 夫婦の間の債権は、時効が停止しているだけで時効が中断しているわけではない。したがって、婚姻解消後6カ月以内は時効は完成しない(§156)だけであり、そのときから新たに時効が進行するわけではない。
※時効の停止のまとめ(§158~161)
①未成年者・成年被後見人の法定代理人が不在→既能力者又は法定代理人就任から6カ月間停止
②未成年者・成年被後見人が法定代理人に対して債権を持っている→既能力者又は後任者就任から6カ月間停止
③夫婦の一方が他方に債権を持っている→婚姻解消から6カ月間停止
④相続が生じた→相続人が確定し管理人選任・破産宣告開始の審判の確定から6カ月間停止
⑤天災・事変が起こった→止みたるときから2週間停止
  • 主たる債務について消滅時効が完成した場合には、主たる債務者が時効の援用をしないときでも、その連帯保証人は、主たる債務につき時効を援用することができる。(元-2-1)
○ 時効の援用権者は「時効によって直接利益を受ける者及びその承継人」に拡張されている。連帯保証人もこれに含まれる(大判昭7.6.21)。
  • 主たる債務者がなした時効利益の放棄は、保証人に対しても効力を生ずるので、保証人は、時効を援用することができない。(5-3-ア)
× 時効利益の放棄は、時効の援用と同様に相対的に効力を生じ、主債務者が放棄しても保証人には効力は生じない。したがって、「時効によって直接利益を受ける者及びその承継人」にあたる保証人は時効を援用することができる。
  • 期限の定めのない貸金債権の消滅時効は、金銭消費貸借契約が成立したときから進行する。(16-7-ア)
× 期限の定めのない金銭消費貸借契約による貸金債権は、相当な期間を定めて催告した場合はこの期間の満了時から、催告がない場合は金銭消費貸借契約が成立してから相当の期間を経過し時から消滅時効が進行する。
※「期限の定めのない」まで読んだところで、「消滅時効の起算点は債権成立時から進行」と早とちりしてしまった。「消費貸借」は「相当期間」がキーワードと肝に銘ずること。

  • 債権者不覚知を原因とする弁済供託をした場合には、供託者が供託金取戻請求権を行使する法律上の障害は、供託の時から存在しないから、その消滅時効は、供託の時から進行する。(16-7-オ)
× 弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効は、供託者が免責の効果を受ける必要が消滅したときから進行する(最判平13.11.27)。免責の効果を受ける必要がある間は、供託者に取戻請求権の行使を期待することができないため。
  • 確定期限のある債権の消滅時効は、当該期限が到来したときから進行するが、不確定期限のある債権の消滅時効は、当該期限が到来したことを債権者が知ったときから進行する。(18-7-ア)
× 確定期限の「ある」債権も、「不」確定期限のある債権も、消滅時効の起算点は期限到来時である。せっかく覚えても、とっさに「履行遅滞の起算点」とごっちゃになっていては世話はない。
  • 地上権及び永小作権は、時効によって取得することができるが、地役権は、時効によって取得することができない。(18-7-イ)
× いずれも時効取得できる。なお、「地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる(§283)」。
  • 所有権に基づく妨害排除請求権は、時効によって消滅しないが、占有保持の訴えは、妨害が消滅したときから1年を経過した場合には提起することができない。(18-7-ウ)
○ 所有権は消滅時効にかからない。また、「占有保持の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後一年以内に提起しなければならない。ただし、工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事に着手した時から一年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができない。」(§201Ⅰ)

混同

混同(第28回)終了。さて、10時から図書館が開くのでぼちぼち出かけなければ。
今夜には、物権の過去問がばりばり進んだとここで報告したいものです。

明認方法と梅雨

民法の第27回(明認方法)まで。

眠いので今日はもう終わり。窓の外はザーザー雨。梅雨ですね。じめじめ嫌な季節。

明日は民法総則の過去問をおさらいしつつ、物権の過去問もがつんといったるです。過去問デーです。
パソコン不要なので、図書館にいってやってこよう。できたら、占有権の前までやっちまいな>明日の私

2008年6月21日土曜日

過去問(無効及び取消し、条件及び期限)

いっきに進め。BGMはGUITAR RENAISSANCE(渡辺香津美)
  • 甲は、未成年者であるが、親権者丙の同意を得ないで乙に甲所有の高価な壺を売却した場合には、甲は、成年者となる前は、丙の同意を得たときでも、売買契約を追認することができない。(5-8-2)
× 未成年者は、意思能力を有する限り、法定代理人の同意を得て自ら完全に有効な法律行為をすることができ、同意を得て追認することもできる。被保佐人、被補助人も同様であるが、成年被後見人は成年後見人の同意を得ても追認することはできない。
  • AはBの詐欺により錯誤に陥り、Bからある動産を買い受ける旨の売買契約を締結したが、その後、Bが売買代金請求権をCに譲渡し、その旨をAに通知した。AがBの詐欺にもかかわらず売買契約を追認しようと考えた場合、その追認はCに対してではなく、Bに対してしなければならない。(12-1-イ)
○ §123は「取り消すことができる行為の相手方が確定している場合には、その取消し又は追認は、相手方に対する意思表示によってする。」としているが、この相手方とは取り消し得べき法律行為の相手方をいう。したがって、本問では契約の相手方であるBに対してしなければならない。
  • 解除条件付法律行為がされた場合において、その条件が成就したときには、その法律行為は、その法律行為の時にさかのぼって効力を失う。(59-4-1)
× 解除条件付法律行為は、条件成就の時より効力を失うのが原則である。また、停止条件付法律行為は、条件成就の時から権利が発生する。なお、停止条件、解除条件ともに、特約があれば遡及させることもできる。
  • 贈与契約に贈与者が欲するときは、贈与した物を返還するものとする旨の条件を付したとしても、その贈与契約は有効である。(59-4-4)
○ §134「停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみに係るときは、無効とする。」 つまり、「返済したいと思うときに返すよ」はダメ。本問の場合、贈与者(債務者)が欲すれば欲すれば贈与した物を返還するという解除条件であり、有効である。
  • 相殺の意思表示に、条件を付すことができる。(2-16-2)
× 相手方の法律上の地位を著しく不安定にすることになるため、相殺の意思表示に条件又は期限を付すことはできない(§506Ⅰただし書き)。このほか、解除、取り消し、買い戻し、選択債権など単独行使権ともいうべき権利に条件をつけることはできない。

まず「回」よりはじめよ

過去問の学習以外で、「回」と書いているところがあります。
実は、LECの通信で「職人の技とテクで合格ラインを突破する講座」を受講しており、記している「回」とは、その通算コマ数のことです。1コマ30分と短いのが特徴で、このブログを見ての通り、結構さくさく進められます。この短さから「気が短い社会人の私向けだな」と思って、ネットで1、2回目の講義を視聴。木村先生の語り口も気に入り、ぽちっとな、と申し込んでしまいました。
本来、初めて学ぶ人向けの講座です。私の場合は、一昨年にWセミナーで基礎講座を受けた身なのですが、基礎力が崩壊状態で一からやり直そうと受講を決めました。民法総則を終わり物権に入ったところの現状では、むしろ「やり直し派」にこそ最適な講座だと感じています。私が初学者としてこの講義を受けたら、ペース的にちょっとついて行けなかったかも。
ともかく、当面、浮気せずにこの講座&過去問の往復で基礎固めしていきます。来年には「この講座のおかげで受かった」と書きたいものです。そのときは、差し支えなければ大阪の木村先生を訪ねて、お礼を言おう。
ちなみに、Web受講なのでペースは自分次第なのですが、できれば10月から答練を受け始める前にクリアしておきたいな。それが難しければ、年末までにやって、1月からの答練に間に合わせよう。貧乏サラリーマンが大枚叩いたんだから、絶対、ものにしてやる。

過去問(無権代理及び表見代理)

テキストの勉強は物権に入った。過去問はどうだ。
民法総則はちゃっちゃと終わらせよう。(BGM=ポエジー(奥村愛)※最近、勉強時のBGMで多用しています)
  • 無権代理人の行為が表見代理とならない場合において、無権代理人がした契約解除の意思表示は、その意思表示の当時代理権のない者が意思表示をすることにつき、相手方が異議を述べた場合であっても、本人が追認をすれば、効力を生ずる。(57-5-エ)
× 契約解除の意思表示は相手方のある単独行為である。相手方のある単独行為の無権代理は原則、不確定無効であるが、本人が追認すれば有効となる。本問では相手方が異議を述べており、有効となる余地はない。
  • 甲は、乙に対し自己所有のカメラの質入れに関する代理権を授与したところ、乙は、丙に対しこのカメラを甲の代理人として売却した。甲は、丙の催告に基づき乙の無権代理行為を追認したときは、乙に対し、その受け取った売却代金の引き渡しを請求することができるが、これとは別に損害賠償の請求をすることはできない。(62-2-3)
× 本人が無権代理行為を追認したときに、乙に対して売却代金の引き渡しを請求することができるのは当然である。これに加え、無権代理人の行為が不法行為の要件も満たせば、本人は無権代理人に対して損害賠償の請求をすることもできる。
  • 甲からコピー機賃借に関する代理権を与えられた乙が、丙との間でコピー機を買い受ける契約をした。乙が未成年者である場合、丙は乙が代理権なきことを知っているか知っていないかにかかわらず、乙に対して履行の請求又は損害賠償を請求することはできない。(3-1-5)
○ 相手方が無権代理について善意・無過失であれば無権代理人に履行又は損害賠償の請求ができるのが原則だが、無権代理人が制限行為能力者である場合には、制限能力者の保護のため、請求権を行使することができない。
  • 代理人が、自己又は第三者の利益を図るため、代理権の範囲内の行為をした場合には、相手方が代理人のそのような意図を知らず、かつ知らなかったことにつき重大な過失がなかったときに限り、本人はその代理人の行為につき、責任を負う。(6-4-ア)
× 93条ただし書きの類推適用であり、相手方の「重過失」でなく「過失」を要件としている。
代理人が自己の利益を図るために権限内の行為をした場合の法律行為は原則有効。ただし、代理人の権限濫用につき相手方が悪意又は有過失のときは、93条ただし書きを類推適用し、本人は無効を主張できる(最判昭42.4.20)
  • Aは何らの権限もないのに、Bの代理人と称して、Cとの間にB所有の不動産を売り渡す契約を締結した。この場合において、AC間の売買が錯誤によって無効であるときは、Bは、Aの無権代理行為を追認することができない。(7-4-イ)
× 無権代理による契約が錯誤であっても、本人は追認することができる。無権代理の本人による追認は、無権代理人に代理権があったのと同ようの効果を生じさせるものに過ぎず、代理して行った行為自体の瑕疵までも治癒するものではないため。
  • Aは何らの権限もないのに、Bの代理人と称して、Cとの間にB所有の不動産を売り渡す契約を締結した。BがAに対して追認する意思表示をした場合において、Cがこれを知らなかったときは、CはAに対して、無権代理行為を取り消すことができる。(7-4-ウ)
○ §113Ⅱ(追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。)の通り。BのAに対する追認はCに対抗することができず、CはAに対して無権代理行為を取り消すことができる。
  • Aは代理権がないにもかかわらず、Bのためにすることを示して、Cとの間でB所有の甲土地を売却する旨の契約を締結した。Cは、Aに対し、無権代理人の責任に基づく損害賠償を請求した。この場合、Cは、甲土地を転売することによって得られるはずであった利益に相当する額を請求することができる。(14-2-オ)
○ 相手方が無権代理人に対して損害賠償請求権を行使する場合において、その請求は履行利益の賠償を意味する。(履行利益とは、契約が完全に履行されていたならば得られたであろう利益のこと。ex.転売利益)

代理一般の過去問

「代理一般」の過去問いってみよう。93条ただし書きの類推適用はわかったようであやふや。復代理はおおむね理解しているが、ちょっと聞き方を変えた引っかけ問題にはやられそうだ。注意。
この部分は、6月13日までにやった部分。ちょうどよい復習になったかな。
  • 甲は、乙に家屋を購入する代理権を与え、乙は、丙との間で、甲のためにすることを示して特定の家屋の購入契約を締結したが、実はその家屋は丁所有のものであった。丙が自己の責めに帰すべき事由により、その契約を履行することができない場合でも、乙が契約の当時その家屋が丙の所有でないことを知っていたときには、甲は、丙に対して損害賠償を請求することができない。(57-3-1)
× 権利の全部が他人に属する他人物売買では、善意の買主は「解除」と「損害賠償請求」、悪意の買主は「解除」できる。ただし、相手方に帰責自由がある場合は、本人や代理人の悪意又は有過失を問わず、債務不履行責任を問うことができる(§415)。本問では相手方丙の責めに帰すべき事由によって丙の債務が履行不能となっているので、債務不履行責任の追及として損害賠償を請求できる。
  • 甲は、乙に家屋を購入する代理権を与え、乙は、丙との間で、甲のためにすることを示して特定の家屋の購入契約を締結したが、実はその家屋は丁所有のものであった。丙が自己の責めに帰すことができない事由によりその契約を履行することができない場合でも、甲及び乙共に契約の当時その家屋が丙の所有でないことを知らなかったときには、甲は、丙に対して損害賠償を請求することができる。(57-3-4)
○ 丙に帰責事由がないので債務不履行責任は問題とならない。権利の全部が他人に属する他人物売買においては、善意の買主は「解除」と「損害賠償請求」、悪意の買主は「解除」できる。本問では、甲及び乙が善意であり、契約の解除も損害賠償請求もできる。
  • 委任による代理人が復代理人を選任する場合において、代理人は、本人の許諾を得て復代理人を選任した場合でも、その選任及び監督について本人に対して責任を負う。(4-2-エ)
○ 条文通り。(§104、105Ⅰ)
復代理における任意・法定代理人の責任
・任意代理→①通常(§105Ⅰ)※本人の許諾またはやむを得ない事由を要する=選任、監督の責任
        ②本人の指名に従った場合(§105Ⅱ)=不適任・不誠実を知って本人に通知しない場合又は解任することを怠った場合の責任・解任懈怠責任
・法定代理→①通常(§106)=全責任。
        ②やむを得ない事由があった場合(§106ただし書)=選任、監督の責任
  • Aの代理人Bの代理行為が相手方Cとの通謀虚偽表示に基づくものであった場合において、Aがそのことを知らなかったときは、Cは、Aに対しその行為について無効を主張することができない。(9-2-オ)
× 代理人と相手方との間の通謀虚偽表示が本人を欺くことを目的とするものである場合には、§93ただし書き(心裡留保)を類推適用し、本人が相手方の真意を知り(悪意)、又は知ることができた(有過失)のでなければ、つまり本人が善意無過失であれば、当該行為は有効となる(大判昭14.12.6)。本問におきかえると、本人Aが相手方の「心裡留保」に善意であり当該行為は有効であるため、相手方Cが本人Aに対して代理行為の無効を主張することはできないはずである。しかし、本問では代理人Bと相手方Cとの間の通謀虚偽表示が本人を欺くことを目的とするものであるとは明示されていないためこの判例を適用できず、原則に立ち返り、通謀虚偽表示は無効であり、その代理人の行為の効果は本人に帰属するため、CはAに無効主張できないとはいいきれない。
→微妙な肢だが、この問題では他の肢との消去法で回答できた。これ以上は深入りしない方針でいった方がよさそうだ。
  • Aは、Bの代理人として、Cとの間で金銭消費貸借契約及びB所有の甲土地に抵当権を設定する旨の契約を締結した。Aが借入金を着服する意図でCとの間で本契約を締結し、Cから受領した借入金を費消したが、CもAの意図を知っていた場合、設定した抵当権は無効である。(12-3-3)
○ 代理人が自己の利益を図るために権限内の行為をした場合の法律行為は原則有効。ただし、代理人の権限濫用につき相手方が悪意又は有過失のときは、93条ただし書きを類推適用し、本人は無効を主張できる(最判昭42.4.20)
  • Aは、Bを利用して、Cと売買契約を締結し、甲動産を取得しようとしている。BがAの代理人である場合、甲動産の購入に際し、Bには意思能力がある必要はないが、Aには行為能力がある必要がある。(16-5-ウ)
× 代理人は自ら代理行為を行うので、Bには行為能力がなくてもよいが意思能力は必要である。本人Aについては、代理人が法律行為を行うため、意思能力・行為能力ともに不要である。
  • Aは、Bを利用して、Cと売買契約を締結し、甲動産を取得しようとしている。BがAの使者である場合、甲動産の購入に際し、Bには意思能力がある必要はないが、Aには行為能力がある必要がある。(16-5-ウ)
× 使者は本人の意思を伝達する期間に過ぎないため、Bは行為能力・意思能力ともに不要。したがって、本人Aには、意思能力・行為能力ともに必要である。
  • Bの妻Aは、Bの実印を無断で使用して、Aを代理人とする旨のB名義の委任状を作成した上で、Bの代理人としてB所有の土地をCに売却した。この場合、Aに売却の権限がなかったことにつきCが善意無過失であったときは、Cは、当該土地の所有権を取得することができる。(18-4-エ)
× 代理権限踰越の表見代理(§110)を有効とするためには、①基本代理権が存在すること②代理人がその権限外の代理行為をしたこと③相手方が善意・無過失であること--を要する。本問では基本代理権の有無が問題となるが、「夫婦の一方が日常家事の範囲を超えて第三者と法律行為をした場合、第三者においてその行為が日常家事に関する法律行為であると信ずるにつき正当な理由があるときに限り保護する(最判昭44.12.18)」。土地の売却は日常家事に関する法律行為の範囲内に属するとはいえず、また、そう信じるにつき正当な理由があったとは問題文から読み取れないため、相手方Cは土地所有権を取得できない。
  • 代理人が復代理人を選任する行為は、代理人の代理行為の一環として行われるものですから、代理人は、復代理人を選任する際、本人のためにすることを示して行う必要がある。(19-5-ア)
× 復代理人は代理人の名において選任される。復代理とは、代理人が自分の権限内の行為を行わせるために自己の名でさらに代理人を選任し、本人を代理させることであるため。
  • 代理人Bは復代理人Cを解任することができるが、復代理人Cが本人Aの許諾を得て選任されたものである場合には、本人Aの同意がなければ、代理人Bは、復代理人Cを解任することができない。(19-5-エ)
× 復代理人は代理人によって選任され、代理人には、任意代理では選任・監督責任、法定代理では全責任が課せられる。したがって、たとえ復代理人が本人の許諾を得て選任されたものであっても、本人の同意の有無を問わず、代理人は、復代理人を解任することができる。

週末

先週末は彼女の人と約1ヵ月ぶりのデート。遠距離恋愛、しかも、兼業受験生のさだめです。彼女の人に寂しい思いをさせ続けないようにするためにも、来年には必ず受からなければ。

北陸の地も暑くなってきました。梅雨入り。仕事が立て込んできたのですが、一方で、仕事の合間の時間は案外効率的に使えているように感じます。要は夜の使い方ですな。

まとまった時間を勉強にあてられるのは週末。さて、再びお勉強がんばります。

2008年6月17日火曜日

物権突入

昨日から物権突入。昨日は20、21回。(ここまでは、たしか6月17日)

先ほど(6月21日午前)、物権の不動産物件変動まで終了(~25回)。

該当分野の過去問もカツカツやってこう。

2008年6月14日土曜日

民法総則が終了

総則の講義が終了(~19)。
講義の復習は代理までやったけど、その後はこの週末に。
過去問は代理まで終了。(ブログ上では代理の前の意思表示までしかやってないが)
やっぱり、総則の最後までを今週末にやっつけます。そうすれば、来週は気持ちよく、物権からスタートだ。

消滅時効の起算点と履行遅滞の時期は、何回やってもあやふやだ。多分、今までの私はこういうところを詰め切っていなかったから得点能力も低かったんだろうなあ。今週末の空き時間もうこれだけ見続けるぐらいの勢いで過ごそう。
  • 消滅時効の起算点と履行遅滞の表(正直者には見える?)

2008年6月13日金曜日

過去問の復習(意思表示及び法律行為の続き)

じゃんじゃん行こう。
……と言いつつ、ここに記録することでおさらいできるものの、タイムロスも多い気がする。今後はどうしよう。
  • AがBの詐欺により、Bとの間で、A所有の甲土地を売り渡す契約を締結した。Aが詐欺の事実に気づいた後に、BがAに対し、相当の期間を定めて売買契約を追認するかどうかを確答するよう催告した場合、Aがその期間内に確答しなければ、Aは、売買契約の意思表示を取り消した者とみなされる。(10-4-ア)
× 詐欺による意思表示の相手方に催告権を与えるような規定はない。自ら詐欺を行い又は第三者の詐欺の事実を知って法律行為に入った者に、特に保護を与える必要はないから。(なお、このような催告ができるのは、制限行為能力者による意思表示の相手方である。)
  • AがBの詐欺により、Bとの間で、A所有の甲土地を売り渡す契約を締結した。Aは、詐欺の事実に気づいて売買契約の意思表示を取り消した場合において、Bへの所有権移転登記を経由していたときは、Bに対し、受領済みの代金及びこれに対する受領時以後の法定利率による利息を返還しなければならない。(10-4-オ)
× 取消権の行使により売買は訴求的に無効となるため、Aは不当利得として代金を返還する必要がある。本問ではAが代金を受領した時点で詐欺の事実につき善意であったと思われるので、現存利益を返還すればよい(§703)。
※不当利得返還義務のまとめ
・善意の受益者=現に利益の存する限度(現存利益、§703)
・悪意の受益者=その受けた利益に利息を付して返還。なお損害があるときは、その賠償の責任を負う(§704)
  • Bは、C社の従業員から甲薬品はガンの予防に抜群の効果があるとの虚偽の説明を受け、これを信じてAに同様の説明をし、Aもこれを信じて甲薬品を購入した場合、Aは、Bとの間の売買契約を取り消すことができる。(13-1-イ)
× 詐欺により取り消すためには、①相手方を欺いて錯誤に陥れようという意思②その錯誤によって意思表示させようとする意思の「二段の故意」を要する(大判大6.9.6)。本問ではBにAを欺いて錯誤に陥れようという意思がなく、BがAに対し詐欺を行ったとはいえない。
  • Aは、Bに対して貸金債権を有していたところ、AとCが通謀して、当該貸金債権をCに譲渡したかのように仮装した。異議をとどめないでその債権譲渡を承諾したBは、債権譲渡が無効であるとして、Cからの貸金債権の支払い請求を拒むことはできない。(15-5-ゥ)
× 債務者が異議をとどめないで承諾したとしても、その債権譲渡自体が無効である。また、債務者は仮装譲渡について§94Ⅱの第三者ではない。従って、Bは債権譲渡の無効を主張して支払い請求を拒むことができる。
  • 家庭裁判所が相続放棄の申述を受理した後は、その相続放棄をした者は、その相続放棄について、錯誤による無効を主張することはできない。(17-4-オ)
× 家庭裁判所が相続放棄の申述を受理した場合であっても、その相続放棄をした者は、その相続放棄について錯誤無効を主張できる。(§919Ⅱ、最判昭29.12.24)

2008年6月12日木曜日

週単位で計画

週単位で計画と結果を記録していこう。
さしあたっては今週(といっても残り実質3日間だが)から開始。
ちょっとハード目の計画だけどがんばろう。

日程~~~~/計画~~~~~/結果
6/9~6/15   民法総則終了
6/16~6/22
6/23~6/29
6/30~7/6
7/7~7/13
7/14~7/20
7/21~7/27
7/28~8/3
8/4~8/10
8/11~8/17
8/18~8/24
8/25~8/31
9/1~9/7
9/8~9/14
9/15~9/21
9/22~9/28
9/29~10/5
10/6~10/12
10/13~10/19

過去問の復習(意思表示及び法律行為)

過去問復習、シスの復讐。
  • 土地が甲から乙へ、乙から丙へと順次売買された。丙に売り渡された後に甲乙間の売買契約が乙の債務不履行を理由として解除された場合には、丙は、所有権移転の登記を受けていない以上、甲に対してその土地の所有権を主張することができない。(57-19-2)
○ 契約の解除は、解除前の第三者の善意・悪意を問わず対抗できない(§545Ⅰただし書き)。ただし、第三者の権利保護要件として不動産は登記動産は引き渡しを必要とする(最判昭33.6.14)。
  • 土地が甲から乙へ、乙から丙へと順次売買された。甲乙間の売買契約が錯誤により無効である場合には、丙が所有権移転の登記を受けているときであっても、甲は、丙に対してその土地の所有権を主張することができる。(57-19-3)
○ 錯誤無効には、相手方、第三者を保護する規定はない。
※意思表示の瑕疵・欠缺がある場合の第三者保護規定のまとめ
・意思無能力→第三者保護規定なし。
・心裡留保(§93)→善意(有過失含む)の第三者に対抗できない。(§94Ⅱ類推適用)
・通謀虚偽表示(§94)→善意(有過失含む)の第三者に対抗できない。(§94Ⅱ)
・錯誤(§95)→第三者保護規定なし。
・解除(§545)→第三者(悪意、有過失含む)に対抗できない。ただし、第三者の権利保護要件として不動産は登記、動産は引き渡しを必要とする(最判昭33.6.14)
※取り消すことができる場合の(取消前の)第三者保護規定のまとめ
・制限行為能力者→第三者保護規定なし。
・詐欺(§96)→善意(有過失含む)の第三者に対抗できない。(§96Ⅲ)
・強迫(§96)→第三者保護規定なし。
  • 甲がその所有に係る土地を乙に騙されて売り渡し、その後契約を取り消す旨の手紙を出したが、その到達前に甲が死亡した場合、取消の効果は生じない。(3-8-エ)
× 意思表示の発信後、表意者が死亡、又は、制限行為能力者となっても、意思表示は有効。(ただし、相手方がそのことに悪意ならば無効:§525。)詐欺を理由に取り消す場合の意思表示でもこの原則を適用し、甲が死亡しても、その意思表示が到達した以上は取消の効果は生ずる。甲の死亡を乙が知っていた場合は、取り消しの効果は生じない。
  • 錯誤の場合には、誰でも無効を主張することができるが、詐欺の場合には、取消権を行使することができる者は限定されている。(6-5-イ)
× 錯誤無効の主張権者……原則、本人に限定。例外的に、債権者に債権保全の必要性があり、かつ、表意者本人が錯誤を認めている場合には第三者に錯誤無効の主張を認める(最判昭45.3.26)。→誰でも主張できるわけではない。
詐欺の場合の取消権者……①瑕疵ある意思表示をした者、②①の法定代理人、任意代理人、③①の包括承継人、特定承継人。(§120Ⅱ)

代理まで

仕事があるはずの午前中はこっそり勉で、代理の最後まで。(16)
あとは、条件、期限あたりを残すばかり。結構このへんにあやふやな部分が多かった気がするので、気を引き締めて当たろう。
  • §110の権限踰越の表見代理において、基本代理権は、原則として私法上の行為に関する代理権であって、公法上の行為につき適用はない。ただし、登記申請行為は公法上のものであるが、それが私法上の取引行為の一環としてなされたものであるときは、基本代理権に該当する場合がある(最判昭46.6.3)。
  • 権限踰越の表見代理の基本代理権は、法律行為を前提とするものであって、勧誘行為などの事実行為には適用はない(最判昭35.2.19)。
  • 無権代理人を本人とともに相続した者が、その後さらに本人をも相続した場合、①無権代理人②本人の順で二重の地位を取得したことになる。この場合、相手方保護のため、本人の地位に立って追認拒絶することはできない(最判昭63.3.1)。

2008年6月11日水曜日

ずんずん

代理をずんずん進んでみる(14、15)。

相手方の態様 善意・無過失 善意・有過失 悪意
催告権(§114) ○ ○ ○
取消権(§115) ○ ○ ×
履行請求・賠償請求(§117) ○ × ×
表見代理(§109,110,112) ○ × ×
※表示が崩れても心の目で見ること。○=行使できる、×=できない
  • 無権代理人の行為を本人が追認する場合、原則、相手方に対して行う。無権代理人に対して行ってもよいが、相手方が知るまでは追認の効果を主張することはできない。

代理へ

代理に少し足をつっこみ始めたところ。この山を越えれば、民法総則はクリアだがね。(13)

今日は、昨日までの勉強の復習に費やす一日でした。明日は、代理の前まで過去問を一気に片付けた上で、あわよくばテキストの代理をがつんと進めよう。

2008年6月9日月曜日

受験生にドアラを与えないでください

平日の夜は眠い。勉強をはじめる前にドアラの動画を見るのに時間を費やしてしまったのが痛かった。ってなにやってんだか。
昨夜の続きと意思表示の到達、無効、取消(12)。

  • 動機の錯誤=判例は当初は認めず。→実務上問題となる場合のほとんどが動機の錯誤であることから、動機が相手方に明示又は黙示に表示されていれば、§95の適用を認めるようになった。
  • 手形の裏書人が、額面1,000万円の手形を額面100万円の手形と誤信し債務を負担する意思で裏書きをした場合、100万円を超える部分に限り、錯誤を理由に手形金の償還義務の履行を拒むことができる。言い換えれば、100万円だけを支払えばよい。(17-4-イ)
  • 意思無能力者、未成年者、成年被後見人は意思表示の受領能力がない。(§98の2)
  • 婚姻外の非嫡出子を夫婦間の嫡出子として出生届をした場合、認知届としての効力を有する。(最判昭53.2.24)
  • 他人の子を養子とする意図で嫡出子の出生届をしても、養子縁組は成立しない。(最判昭25.12.28)

力尽きた

民法総則の心裡留保、通謀虚偽表示、錯誤、詐欺、強迫あたりまで。(7-11)
刑法だと「脅迫」だけど民法だと「強迫」。へえ。
民法総則も、あと無効・取消を整理できれば、あとは代理が最後の山場だな。とにかく総則でちんたらやってる場合ではないので、しゃかしゃかみっちり進めよう。

  • 代理人が自己の利益を図るために権限内の行為をした場合の法律行為は原則有効。ただし、代理人の権限濫用につき、相手方が悪意又は有過失のときは、§93ただし書を類推適用し、本人は無効を主張できる(最判昭38.9.5、最判昭42.4.20)。この際、代理人は相手方の使者として伝達した者と考える。
  • 錯誤による無効は、原則、本人のみが主張できる。(本人に重過失がある場合は無効主張できない。)ただし、債権保全の必要性があり、かつ、本人が錯誤を認めている場合はできる。
  • 通謀虚偽表示は、善意の第三者に対抗することができない。第三者は、善意でさえあれば原則、無過失までは要求しないし、不動産については登記まで要求しない。
  • 通謀虚偽表示において、転得者も「第三者」に含まれ、善意であれば保護される。また、第三者が善意である場合には、転得者が悪意であっても対抗できる。取引の法的安定性を重視して保護するため(絶対的構成説)。


力尽きた。眠くて復習しきれず。明日、続きをおさらいして、必要なものは書き足そう>私。おやすみ。

2008年6月8日日曜日

過去問の整理(自然人)

過去問の「△」または「×」だった肢を整理しよう。
民法総則の過去問はもう何回もやっているはずなのに、まだきっちりわかっていない肢があるのは困ったものだ。
  • 未成年者に法定代理人がいない間は、これに対して消滅時効が完成することはない。(57-2-3)
○ 制限行為能力者の保護のため、時効は停止する。
「時効の期間の満了前6ヶ月以内の間に未成年者又は成年被後見人に法定代理人がいないときは、その未成年者もしくは成年被後見人が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から6ヶ月を経過するまでの間は、その未成年者又は成年被後見人に対して、時効は、完成しない(§158Ⅰ)」
→つまり、未成年者に法定代理人がついたとしても、それから6ヶ月が経つまでは消滅時効は完成しない

  • 被保佐人が相続を承認し、又はこれを放棄するには、保佐人の同意を得ることを要する。(60-1-4)
○ 重要な財産行為として§13Ⅰに列挙された行為は保佐人の同意が必要である。
①元本の領収・利用
②借財・保証
③不動産その他重要な財産の得喪
④訴訟行為
⑤贈与・和解・仲裁合意
相続承認・放棄・遺産分割
⑦贈与申込の拒絶・遺贈の放棄・負担付き贈与の承認
⑧新築・改築・増築・大修繕
⑨短期を超える賃貸借

  • 未成年者がした法律行為の取消しは、未成年者が単独ですることができる。(63-1-5)
○ 制限能力者による行為の取消権者は、§120で限定列挙されている。
制限行為能力者(本人)、(法定・任意)代理人、(包括・特定)承継人、同意をすることができる者(保佐人、補助人)
※あくまで限定列挙。「保証人」は取消権者でない

  • 未成年者Aがした売買行為について、Aが成年となった後は、未成年であったことを理由に取り消すことができない。(6-7-エ)
× 制限能力者による行為の取消は§126に短期消滅時効の規定がある。
「追認できる時から5年間、又は、行為(契約等)のときから20年間で消滅する」
→20歳で成人したときが「追認できる時」であり、そこから5年の25歳までは取り消すことができる。

  • 成年被後見人が成年後見人と利益の相反する行為をしたときは、成年後見人は、その行為を取り消すことができる。(9-1-2改)
× 成年被後見人の行為は、日常生活に関する行為を除いて取り消すことができる(§9)が、その行為が成年後見人との利益相反行為となる場合には、成年後見人に代理権が認められない。
→成年後見人はその利益相反行為を取り消すことができない。

  • 家庭裁判所は、保佐開始の審判において、保佐人の同意を得ることを要する法定の行為に関し、その一部について保佐人の同意を得ることを要しない旨を定めることができる。(15-4-ウ)
× 保佐人の同意を得ることは§13Ⅰで限定列挙しており、その一部について保佐人の同意を要しない旨を定めることはできない。いずれも重要な財産上の法律行為に関わるものであり、被保佐人の保護のためにもこのような旨を定めることは許されない。

  • 成年被後見人が契約を締結するに当たって、成年後見に関する登記記録がない旨を証する登記事項証明書を偽造して相手方に交付していた場合には、相手方がその偽造を知りつつ契約を締結したとしても、その成年後見人は、当該契約を取り消すことができない。(19-6-オ)
× 制限行為能力者が行為能力者であると信じさせるために詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない(§21)。しかし、相手方が能力者だとと誤信したのでなければ、詐術に当たらず、制限行為能力者の取消権は否定されない。

「鉄杵」とは

「鉄杵の部屋」とのタイトルは、「鉄杵磨針」または「鉄杵を磨す(く)」との故事成語から引用した。

辛抱強く忍耐すれば必ず成功するとの意でこの言葉が使われている。その由来は……。

李白は幼少期、勉強をさぼっては遊びに出かけていた。ある日、いつものごとくふらふら歩いていると、農家の道端でお婆さんが石の上で鉄の杵を磨いていた。「何しとる(何をしているのですか)」と聞くと、お婆さんは「これを磨いて一本の針を作るの じゃ」と答えた。驚いた李白は「そんなたーけたらしいこと、無理だて(そんな馬鹿なことやっても無理だよ)」と諭したが、お婆さんは意に介せず。「一生懸命やればできないことはないけえのう」と涼しい顔だったという。この姿に感激した李白は引き返し、勉学に励んだ。以後、困難に遭遇してもこのことを思い出して気 持ちを鼓舞し、大成したといわれている。

私がすでに李白に感情移入しているため、その言葉を勝手に名古屋弁にしてしまいました。また、お婆さんに敬意を示して、初めての社会人生活を過ごした広島でよく耳にした広島弁で書いた。

これまでの経験から、司法書士試験に受かるのは「そんな馬鹿な」といいたくなるハードさだと感じる。「二階から目薬」とまではいわなくても、不器用な私が「針の穴に糸を通す」程度には難しい。だが、ひるんでいる場合ではない。テキスト、六法、過去問を磨きまくり、針の穴を通してやる。

自然人の終わりまで

民法の自然人の終わりまで。(4-6)
法人については、今年は出ないと考えてよいのかな。でも、来年はどうなんだろう。さしあたっては後回し。必要性を感じれば、最低限をあとでチェックしよう。
  • 制限行為能力者に関して、本人以外の請求による場合に本人の同意を要するもの……①補助開始の審判②保佐人・補助人に代理権を付与する旨の審判
  • 未成年後見人は一人でなければならない(§842)が、成年後見人は複数であっても法人であってもよい(§843ⅢⅣ)。
  • 成年被後見人と後見人の利益相反行為は特別代理人、被保佐人と保佐人の利益相反行為は臨時保佐人、被補助人と補助人の利益相反行為は臨時補助人が代理する。(ただし、後見監督人、保佐監督人、補助監督人がある場合はこの限りでない。)これに違反した場合は無効であり、取り消しの対象となるわけではない。
  • 取消権の短期消滅時効……追認できるときから年間、又は、行為のときから20年間
  • 失踪宣告の請求は、普通失踪の場合は7年、特別失踪の場合は1年が経過すれば、利害関係人が家庭裁判所に請求することができる。(出題歴は7-2くらい?)
  • 配偶者の生死が7年以上不明な場合、失踪宣告に婚姻を解消することも裁判上の離婚手続きにより婚姻を解消することもできる。(14-1)

2008年6月6日金曜日

民法総則から再開

民法総則から再学習開始。(1~3コマ)
わかったつもりになってたことも、一から出直す気持ちでやろう。

  • 胎児の権利能力=例外的に認める場合:不法行為に基づく損害賠償請求、相続、遺贈。
  • 胎児の権利能力→判例は「停止条件説(さかのぼって権利能力を認める)」(阪神電鉄事件:大判昭7.10.6「胎児の代理として加害者と行った和解は胎児を拘束せず、改めて出生した子は損害賠償請求できる」)
  • 成年被後見人、被補佐人、被補助人の要件を満たす場合、家裁は必ず審判開始をしなければならない。条文上の「できる」は家裁に権限があると解す。(§7Ⅰ、11Ⅰ、15Ⅰ)

2008年6月3日火曜日

LEC第二回模試

一昨日(6月1日)にLECで受けた模試はぼろぼろ。
今年は厳しいかなあ、と弱気になった。でも、応援してくれる人がいる。がんばらねば。

総合的に基礎力が固まっていない。今年厳しいというのは受け止めるとしても、来年だってあと13ヶ月、平日の勉強時間がかなり制約されることと現在の実力を天秤にかけると、かなりタイトに追い込まないととてもじゃないが間に合わない。とにかく、過去問で問われたことがある問題、基本的な肢だけは確実にわかるようにして、合格可能性がある状態を早くつくりたい。

3回目の本試験を前に、今年受かる可能性は限りなく低いと感じている。このまま今の調子で勉強を続けても、来年も同じような状態で迎えることになりそうな気がする。自分の気持ちをたたきなおさないととてもではないが来年にも合格水準には達しない。自分に厳しく、マゾヒスティックにやっていこう。

このブログはそんなわけで、自分自身を反省するというか「オレよ、怠けるな」と自分に鞭打つために作った。いわば、自慰的なブログです。のっけからごめんなさい。