過去問復習、シスの復讐。
- 土地が甲から乙へ、乙から丙へと順次売買された。丙に売り渡された後に甲乙間の売買契約が乙の債務不履行を理由として解除された場合には、丙は、所有権移転の登記を受けていない以上、甲に対してその土地の所有権を主張することができない。(57-19-2)
○ 契約の解除は、解除前の第三者の善意・悪意を問わず対抗できない(§545Ⅰただし書き)。ただし、第三者の権利保護要件として不動産は登記、動産は引き渡しを必要とする(最判昭33.6.14)。
- 土地が甲から乙へ、乙から丙へと順次売買された。甲乙間の売買契約が錯誤により無効である場合には、丙が所有権移転の登記を受けているときであっても、甲は、丙に対してその土地の所有権を主張することができる。(57-19-3)
○ 錯誤無効には、相手方、第三者を保護する規定はない。
※意思表示の瑕疵・欠缺がある場合の第三者保護規定のまとめ
・意思無能力→第三者保護規定なし。
・心裡留保(§93)→善意(有過失含む)の第三者に対抗できない。(§94Ⅱ類推適用)
・通謀虚偽表示(§94)→善意(有過失含む)の第三者に対抗できない。(§94Ⅱ)
・錯誤(§95)→第三者保護規定なし。
・解除(§545)→第三者(悪意、有過失含む)に対抗できない。ただし、第三者の権利保護要件として不動産は登記、動産は引き渡しを必要とする(最判昭33.6.14)
※取り消すことができる場合の(取消前の)第三者保護規定のまとめ
・制限行為能力者→第三者保護規定なし。
・詐欺(§96)→善意(有過失含む)の第三者に対抗できない。(§96Ⅲ)
・強迫(§96)→第三者保護規定なし。
- 甲がその所有に係る土地を乙に騙されて売り渡し、その後契約を取り消す旨の手紙を出したが、その到達前に甲が死亡した場合、取消の効果は生じない。(3-8-エ)
× 意思表示の発信後、表意者が死亡、又は、制限行為能力者となっても、意思表示は有効。(ただし、相手方がそのことに悪意ならば無効:§525。)詐欺を理由に取り消す場合の意思表示でもこの原則を適用し、甲が死亡しても、その意思表示が到達した以上は取消の効果は生ずる。甲の死亡を乙が知っていた場合は、取り消しの効果は生じない。
- 錯誤の場合には、誰でも無効を主張することができるが、詐欺の場合には、取消権を行使することができる者は限定されている。(6-5-イ)
× 錯誤無効の主張権者……原則、本人に限定。例外的に、債権者に債権保全の必要性があり、かつ、表意者本人が錯誤を認めている場合には第三者に錯誤無効の主張を認める(最判昭45.3.26)。→誰でも主張できるわけではない。
詐欺の場合の取消権者……①瑕疵ある意思表示をした者、②①の法定代理人、任意代理人、③①の包括承継人、特定承継人。(§120Ⅱ)
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