2008年7月5日土曜日

過去問(地上権、地役権)

物権の過去問の復習も今回が最後。過去問集で問題を解いてから数日後にこのブログで復習しているが、「微妙」だった点がすっきりしたはずなのに相変わらず「微妙」だったりすると、「脳天気が売り」の私も少しうんざりする。忘却能力が高すぎる。「怪しい肢集」はかなりの頻度で繰り返さないと、とてもじゃないけど来年の試験日に頭に残ってないな。元来のめんどくさがりな私だが、怪しい肢についてだけはアホみたいに反復していこう。ちなみにBGMは、「JAZZ Bar ニコニコ 3号店」と「JAZZ Bar ニコニコ 4号店」。

  • 甲がその所有するA土地につき乙との間で地上権設定契約を締結した。甲乙間に乙はA土地を他に賃貸してはならない旨の特約がある場合に、乙が甲の承諾を得ないでA土地を第三者丙に賃貸し、引渡しをしたときでも、甲は、丙に対して、A土地の明渡しを請求できない。(59-14-3)
○ 地上権者は、設定者の承諾なしに譲渡・転貸をすることができる。地上権の譲渡禁止特約や、担保権を設定しない旨の特約は、債権的には有効であるが、物権的には無効である。
  • 木造家屋を所有する目的で土地を賃借する場合に、存続期間を10年と定めたときは、その定めは無効であり存続期間は30年となる。(2-17-3)
○ 借地借家§3「借地権の存続期間は、30年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。」→30年未満の期間を定めても無効であり(借地借家§9「この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする。」)、存続期間を定めなかったものとして30年となる。
  • 資材置場とすることを目的として土地を賃借する場合に、存続期間を30年と定めたときは、その定めは無効であり存続期間は20年となる。(2-17-4)
○ 資材置場については借地借家法による修正は適用されず、民法の原則による。
→「§604①賃貸借の存続期間は、20年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、20年とする。②賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から20年を超えることができない。
  • ビルの1室を事務所として賃借した場合、存続期間を半年と定めたときはその定めは無効であり存続期間は1年とされる。(2-17-5)
× ビルの1室は、独立した建物として、借地借家法が適用される。
「借地借家§29①期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。②民法第604条 の規定は、建物の賃貸借については、適用しない。 」→期間の定めのない建物賃貸借とみなされる。
  • Aが「電線路及びこれを支持するための鉄塔を施設し、保持すること」を目的として、Bからその所有する甲土地について地上権の設定登記を受けていたという事例において、当該地上権が甲土地の全部を対象として設定されたものである場合には、Aは、「電線路(支持物を除く。)を施設、保持し、その架設・保守のために土地に立ち入ること」を目的とする地役権を設定することができる。(10-10-イ)
× 地上権者がその借地のために、又は、その借地の上に地役権を設定することは認められると一般に解されているが、地役権は土地のための権利であるため、本問のような地役権の設定はできない。
  • 地上権者が破産手続開始の決定を受けた場合、それまで地代の滞納がなかったときでも、土地所有者は、地上権の消滅を請求することができる。(11-12-1)
× 法改正で正しい肢だったのが「×」の肢に変わったようだ。このままでの出題可能性は低いといってよさそうだが、消滅請求ができる場合については明確にしておこう。
※土地所有者(地上権設定者)が消滅請求できる場合=地上権者が引き続き2年以上地代の支払いを怠るとき(§266Ⅰ、276:永小作権の規定を準用)
  • 建物の所有を目的とする土地の賃借権を有する者は、その土地の上に登記されている建物を所有するときは、その賃借権を第三者に対抗することができるが、建物の所有を目的とする地上権を有する者は、地上権の登記をしなければ、その地上権を第三者に対抗することができない。(18-13-ア)
× 前半はオッケー(借地借家§10Ⅰ「借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。」)。また、建物の所有を目的とする地上権についても、借地借家法が適用される。
→借地借家§2「この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一  借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。
二  借地権者 借地権を有する者をいう。
三  借地権設定者 借地権者に対して借地権を設定している者をいう。
四  転借地権 建物の所有を目的とする土地の賃借権で借地権者が設定しているものをいう。
五  転借地権者 転借地権を有する者をいう。 」
  • A及びBは、甲土地を共有しているが、隣接する乙土地の所有者Cとの間に、甲土地の利用のために乙土地を通行する旨の地役権設定契約を締結した。この地役権設定契約に際し、地役権は要役地の所有権とともに移転しない旨の特約をした場合において、Aが甲土地に対する自己の持分をDに譲渡したときは、その特約について登記がなくても、CはDの地役権の行使を拒むことができる。(4-12-3)
× 「§281①地役権は、要役地(地役権者の土地であって、他人の土地から便益を受けるものをいう。以下同じ。)の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となるものとする。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。②地役権は、要役地から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができない。 」→281条ただし書きの通り、要役地の所有権とともに移転しない旨の特約をすることができるが、この特約は登記しなければ第三者に対抗することができない(不登§80Ⅰ③)。
※不動産登記法第80条
①承役地(民法第285条第1項に規定する承役地をいう。以下この条において同じ。)についてする地役権の登記の登記事項は、第59条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一  要役地(民法第281条第1項に規定する要役地をいう。以下この条において同じ。)
二  地役権設定の目的及び範囲
三  民法第281条第1項ただし書若しくは第285条第1項ただし書の別段の定め又は同法第286条の定めがあるときは、その定め
②前項の登記においては、第59条第4号の規定にかかわらず、地役権者の氏名又は名称及び住所を登記することを要しない。
③要役地に所有権の登記がないときは、承役地に地役権の設定の登記をすることができない。
④登記官は、承役地に地役権の設定の登記をしたときは、要役地について、職権で、法務省令で定める事項を登記しなければならない。

過去問(共有)

過去問の続き。6月28日にやった分の復習です。BGMは「JAZZ Bar ニコニコ 2号店」。
  • A及びBは、甲建物を共有しているが、その持分は、Aが3分の2、Bが3分の1である。この事例において、A及びBが甲建物を第三者に賃貸している場合には、Aは単独で契約を解除できない。(4-11-ア)
× 共有物を目的とする賃貸借契約を解除することは、利用に関する行為であり、共有持分の価格の過半数で決する。
※共有物の保存・管理・変更
・保存行為(§252ただし書き)=各共有者単独で可能
  ex.目的物の修繕、返還請求、妨害排除請求、不法登記の抹消請求、高順位の抵当権順共有者による消滅した先順位担保権者の抹消請求
・管理行為(§252)=持分価格の過半数で決定
  ex.共有物の賃貸、賃貸借契約の解除、共有宅地の地ならし
・変更行為(§251)=共有者全員の同意
  ex.処分行為(共有物の売買、売買契約の解除)、共有物全体への担保権設定、託児造成など大規模工事
  • 共有物の分割の結果、Aが単独で目的物を所有することとなった場合において、その物に隠れた瑕疵があったときは、分割が裁判による場合であっても、Bは、Aに対して、自己の持分に応じた担保責任を負う。(7-9-ア)
○ 共有物の分割によって取得した物に隠れた瑕疵があったときは、売買の場合と同様に、各共有者は持分の割合に応じた担保責任を負う。裁判によって分割が行われた場合であっても、共有物分割が交換の性質を有していることには変わりがなく、持分に応じた瑕疵担保責任を負う。
  • 共有物について、AB間の分割の協議が整わないときは、Bは、その協議がAの請求に基づいてなされたものであったとしても、裁判による分割を請求することができる。(7-9-オ)
○ §258Ⅰ「共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。」→この請求権は各共有者に認められている。協議の請求をした者であるかどうかは関係ない。
  • A、B、Cが3分の1ずつの持分割合で共有する建物について、Aは、建物の不法占有者Xに対して、建物を自己に引き渡すよう単独で請求することができる。(8-10-1)
○ 保存行為であり、Aは自己に引き渡すよう単独で請求することができる。
※共有物の保存・管理・変更
・保存行為(§252ただし書き)=各共有者単独で可能
  ex.目的物の修繕、返還請求、妨害排除請求、不法登記の抹消請求、高順位の抵当権順共有者による消滅した先順位担保権者の抹消請求
・管理行為(§252)=持分価格の過半数で決定
  ex.共有物の賃貸、賃貸借契約の解除、共有宅地の地ならし
・変更行為(§251)=共有者全員の同意
  ex.処分行為(共有物の売買、売買契約の解除)、共有物全体への担保権設定、託児造成など大規模工事
  • AとBが共有する土地を、Aが勝手に自己の単独の所有に属するものとしてCに売却した場合、AC間の売買契約は、Aの持分の範囲内においてのみ有効である。(10-9-ア)
× 共有者の一人が、権原なくして共有物を自己の単独所有に属するものとして他の者に売却した場合、売買契約は有効に成立する。自己の持分を超える部分については、他人の権利の売買としての法律関係を生じ、自己の持分の範囲内では契約の趣旨に従った履行義務を負う。自己の持分の範囲内においてのみ契約が有効となるわけではない。(最判昭43.4.4)
  • A・B及びCが共同相続した不動産につき、AがB及びCに無断で単独名義の所有権移転登記を経由した上で、これを第三者Dに譲渡して、その旨の所有権移転登記を経由した場合、BがDに対して請求することができるのは、Bの持分についてのみの登記手続きである。(10-9-エ)
○ 共同相続人の一人である甲が、相続財産につき勝手に自己の単独名義の登記をし、これを第三者に譲渡した場合、他の共同相続人は、自己の相続持分に付き登記なくして譲受人に対抗できる(最判昭38.2.22)。この場合に、他の共同相続人の一人が譲受人に対して請求できるのは自己の持分についてのみの一部抹消(更正)登記であり、その範囲を超えて請求することはできない。
  • 一筆の土地の全体について抵当権が設定された後に、その土地の単独所有者から共有持分を取得した第三者は、自己の持分について抵当権の消滅請求をすることができる。(12-10-ウ改)
× 抵当不動産の共有持分を取得した者は、持分について抵当権消滅請求(§379)をすることはできない(最判平9.6.5)。これを認めると、抵当権者に不測の損害を及ぼすため。
  • A、B及びCが父親Xから甲土地を共同相続した。相続分は平等であり、遺産分割協議は未了である。この場合において、ABC間で甲土地の分割について協議が整わない場合に、甲土地の共有関係を解消するためには、家庭裁判所に対して遺産分割を請求すべきであり、地方裁判所に対して共有物分割請求の訴えを提起しても、その訴えは、不適法である。(17-10-イ)
○ §907Ⅱ「遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。」→通常裁判所が判決手続で判定すべき者ではない(最判昭62.9.4)。家庭裁判所に遺産分割を請求すべきであり、地方裁判所に対して共有物分割請求の訴えを提起しても不適法である。

過去問(所有権一般)

今日は暑かった。明日、本試験の日も暑くなるのだろうか。残念ながら今年は記念受験的な状態で明日を迎えることになるが、1年後には合格を手にしてやる。やったるでかん。BGMは「Let Go ( Avril Lavigne )」。行け。
ちなみに、過去問集でのカテゴリーは「所有権一般」だけど、肢別に怪しかったもののほとんどが所有権以外の権利に関するものばかり。まっとうに所有権自体の性質を聞いてくることは考えづらいが、他の権利との比較で怪しくならないようにしよう。
  • 甲所有のA土地に隣接するB土地の所有者乙がB土地を丙に譲渡した。この場合において、乙がA土地について通行地役権を有していた場合においても、その登記がなされていないときには、丙は、B土地につき乙から所有権移転の登記を受けたとしても、甲に対して、通行地役権を主張することができない。(59-11-3)
× 承役地の所有者であった者及びその一般承継人に対し要役地の所有権移転を対抗し得るときには、地役権の移転も登記なくして対抗し得る。(大判大13.3.17)
  • 建物の賃借人甲がその所有者乙の同意を得てベランダを作り付けたときには、そのベランダの所有権は、甲に帰属する。(59-12-3)
× ベランダは建物に付合する。(§242「不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。」)242条ただし書きの通り、本問では賃借人甲が自己の権原にによって付合させているが、ただし書きが適用されるためには、「付合物が不動産と一体化して構成部分になるのではなく、独立の存在でなければならない(最判昭38.5.31)」。ベランダは建物と一体化してもはや独立の存在とはいえず、賃借人甲は所有権を留保することはできない。
  • 共有物を分割しない旨の特約は、動産についてはすることができない。(1-4-2)
× 「第256条①各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。②前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない。」256条1項ただし書きでは不分割特約の対象となる「共有物」を特に絞っておらず、不動産に限るわけではない。
  • 不動産については、留置権は成立しない。(1-4-3)
× 「第295条①他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。②前項の規定は、占有が不法行為によって始まった場合には、適用しない。」→§295Ⅰは「物に関して生じた債権」としており、不動産についても動産についても留置権は成立する。
  • 不動産質権は、登記をしなければ効力を生じない。(1-4-4)
× 不動産質権において、登記は対抗要件であるが、効力要件ではない。
※不動産質権の効力要件と対抗要件
 ・効力要件=①質権設定の合意②質物の引渡し(占有改定は含まず)。
 ・対抗要件=登記。(占有を喪失しても、登記があれば対抗できる。)
  • 抵当権の目的は、不動産に限られない。(1-4-5)
○ 抵当権の目的となるのは①不動産(土地、建物、登記された立木)②地上権③永小作権④工場財団。いずれも、登記によって公示することができ、抵当権の目的とすることができる。
  • A所有の建物甲及び建物乙が、その間の隔壁を除去する等の工事によって、一棟の建物丙となった場合には、建物甲の所有権は、建物丙のうちの建物甲の価格の割合に応じた持ち分となり、Aは、この持分上に抵当権を設定することができる。(15-10-オ)
× 同一所有者間の建物甲と建物乙が一棟の建物丙となった場合には、一物一権主義により、1個の所有権が成立する。持分というものを概念することができず、その持分上に抵当権を設定することもできない。

2008年7月2日水曜日

44回まで

講義の41~44回を受講。細切れで受けられるのはありがたいが、テンポが結構速いっす。

内容は、抵当権に入った。賃借人のための明渡し猶予制度(§395)についてほとんど認識していなかったことが分かった。今まで何やってたんだ。大丈夫か、オレ。

(抵当建物使用者の引渡しの猶予)
第395条
1 抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲げるもの(次項において「抵当建物使用者」という。)は、その建物の競売における買受人の買受けの時から6箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。
 ①競売手続の開始前から使用又は収益をする者
 ②強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者
2 前項の規定は、買受人の買受けの時より後に同項の建物の使用をしたことの対価について、買受人が抵当建物使用者に対し相当の期間を定めてその1箇月分以上の支払の催告をし、その相当の期間内に履行がない場合には、適用しない。


不動産登記法における抵当権ならともかく、民法の抵当権なら余裕だろ、とたかをくくっていたが、知識の穴があちこちにあることにぞっとした。気合いを入れていこう。

2008年7月1日火曜日

過去問(即時取得)

物権の過去問の復習はさっさと終わらせよう。BGMはCymbalsの「Neat,or Cymbal!」。
  • AはBに対し、A所有の指輪を売り渡し、占有改定による引渡しをした後、この指輪をCに売り渡し、Cに対しても占有改定による引渡しをしたところ、Dがこの指輪をA方から盗み出した。この場合において、Bは、指輪の所有権をCに対抗することができる。(62-13-1)
○ Bは占有改定による引渡しを受け、対抗力ある所有権を得ている。一方、Cは無権利者となったAから指輪を買ったのだから所有権を取得するには即時取得によるほかないが、占有改定によっては即時取得できず、所有権を取得できていない。したがって、BはCに対抗できる。
  • AはBに対し、A所有の指輪を売り渡し、占有改定による引渡しをした後、この指輪をCに売り渡し、Cに対しても占有改定による引渡しをしたところ、Dがこの指輪をA方から盗み出した。この場合において、判例の趣旨によれば、Cが指輪の所有権を取得することはない。(62-13-2)
○ Bは占有改定による引渡しを受け、対抗力ある所有権を得ている。一方、Cは無権利者となったAから指輪を買ったのだから所有権を取得するには即時取得によるほかないが、占有改定によっては即時取得できず、Cが指輪の所有権を取得することはないといえる。
  • AはBに対し、A所有の指輪を売り渡し、占有改定による引渡しをした後、この指輪をCに売り渡し、Cに対しても占有改定による引渡しをし たところ、Dがこの指輪をA方から盗み出した。この場合において、AはDに対し、指輪の返還を請求することができる。(62-13-3)
○ Aは占有回収の訴えを提起し、返還を請求することができる。
  • AはBに対し、A所有の指輪を売り渡し、占有改定による引渡しをした後、この指輪をCに売り渡し、Cに対しても占有改定による引渡しをし たところ、Dがこの指輪をA方から盗み出した。この場合において、BはDに対し、指輪の返還を請求することができる。(62-13-4)
○ Bは指輪の所有者であり、Dに対して所有権に基づく返還請求をすることができる。
  • AはBに対し、A所有の指輪を売り渡し、占有改定による引渡しをした後、この指輪をCに売り渡し、Cに対しても占有改定による引渡しをし たところ、Dがこの指輪をA方から盗み出した。この場合において、CはDに対し、指輪の返還を請求することができる。(62-13-5)
○ Cは所有権は得ていないものの、占有改定により占有権は取得しており、Dに対して占有回収の訴えを提起して指輪の返還を請求することができる。
  • AがBの無権代理人CからB所有の宝石を買い受けた場合に、Cの無権代理について善意・無過失であるときは、その宝石を即時取得することができる。(5-9-ウ)
× 前主が無権代理人である場合のように取引行為自体に瑕疵があり完全な効力を生じていない場合には、即時取得制度の適用はない。AがCの無権代理行為について善意・無過失であろうと、悪意であろうと、結論は変わらない。
  • 占有者が、占有物の上に行使する権利は、これを適法に有するものと推定されるので、即時取得を主張する者は、無過失を立証する責任を負わない。(5-9-オ)
○ 即時取得を主張する者は、平穏、公然、善意、無過失のいずれも立証する責任を負わない。平穏、公然、善意については推定規定(§186)があり、無過失についても推定されるとの判例(最判昭41.6.9、最判昭45.12.4)がある。
  • 無権利者から代物弁済によって動産の譲渡を受けた場合、代物弁済は弁済と同一の効力を生ずるものであり、取引行為ではないので、即時取得は成立しない。(13-7-エ)
× 代物弁済は、即時取得に必要な無権利者との「有効な取引」に含まれる。
※有効な取引に含まれる場合……代物弁済、譲渡担保、消費貸借、寄託、強制競売、質権設定による質権の取得、本人の代理人から買い受けた場合
  • Aの所有する甲動産を保管しているBが、甲動産を自己の所有物であると偽ってCに売却した場合において、代金支払時にCが甲動産の所有者がBであると信じ、かつ、そう信じるにつき過失がないときは、代金支払後、引渡しを受けるまでの間に、所有者がBでないことをCが知ったとしても、Cは、甲動産を即時取得することができる。(17-9-イ)
× 即時取得における善意無過失の要件は、占有開始時に要求される(§192)。
§192「取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。」
  • Aの所有する甲動産を買い受け、引渡しを受けたBが、債務不履行を理由にその売買契約を解除されたが、Aに甲動産の引渡しをしないまま、これをCに売却し、Cに現実の引渡しをした場合には、Cは、Bが所有者であると信じ、かつ、そう信じるにつき過失のないときに限り、甲動産の所有権を取得することができる。(17-9-オ)
× AとCの関係は、引渡しの前後によって決する。(§178:動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。)Bを起点とする二重譲渡と類似の関係だと見ることができるため。したがって、Aより先に現実の引渡しを受けているCは、Bが所有者であると過失なく信じた場合でなくても甲動産の所有権を取得することができる。

「チェック野郎」を作成

このブログで掲載している過去問を「チェック野郎」対応にしました。

というか、このブログの過去問の復習を一問一答化できるよう、CSSを書き、「チェック野郎」と名付けました。完全に自分が使うために作ったのですが、もし、これを使いたいという奇特な方がいらっしゃればご利用いただいて構いません。

「チェック野郎」の導入方法
  1. 下の「『チェック野郎』をダウンロード」のリンク先のデータをダウンロードする。
    →「チェック野郎」をダウンロード
    ※CSSファイルです。ファイル名は「.css」の拡張子さえ付いていればどのように変えても構いません。(例:check_yarou.css、goukaku.css など)
  2. 保存したファイルを、ブラウザのユーザスタイルシートに設定する。
    (Firefoxの場合は、Stylishを使うのが便利です[→使い方]。その場合は、ダウンロードしたファイルの中の文字列をコピーして「スタイルを追加」の枠内に貼り付けてください。)
  3. このブログを再読込みする。

    Posted by Picasa


使用方法
  1. このブログ「鉄杵(てっしょ)の部屋」のうち、過去問とその答え、説明を掲載しているエントリーを見る。この際、答えと説明が載っているはずの四角が緑色一色になっているはず。(写真1枚目)
  2. 問題文を読む。
  3. 「こたえは×(ばつ)だて。そんなもん、簡易の引渡し、占有改定や指図による占有移転もできるんだから、あったりまえだがね」などとつぶやく。
  4. 緑一色の解答部分の上にマウスカーソルを移動させる。(写真2枚目)
  5. 黒字で答えと説明文が表示されるので「よっしゃ、本気出せばこんなもんだて」と自信を深める。
(注意1)チェック野郎は、Firefoxでの表示を前提に作成しています。インターネットエクスプローラーでは、カーソルを解答部分の上に移動しても答えと説明文が黒字で表示されないようです。解決方法もあるようですが、いっそ、Firefoxに乗り換えた方が話が早いかもしれません。
(注意2)このCSSのご使用は自己責任でお願いします。「こんなもん、自分で過去問集見た方がよっぽど話が早いがね。この無駄に使った時間をどうしてくれる」「簡単そうな問題を間違えて。この怒りのやり場をどこに持って行けば良いのだ」などのクレームには対処しかねます。あらかじめご了承ください。

昨夜

昨日は久々の出勤。くたくたになって帰った後、机に向かったが、気がついたら寝てしまっていた。だめじゃん。彼女の人の電話で自分が寝ていたことに気づき、もう遅いので、と寝てしまった。

連休後の仕事疲れもこれで取れたであろう。今日から仕事もばりばりやりつつ、勉強のペースも上げていこう。