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2008年7月5日土曜日

過去問(地上権、地役権)

物権の過去問の復習も今回が最後。過去問集で問題を解いてから数日後にこのブログで復習しているが、「微妙」だった点がすっきりしたはずなのに相変わらず「微妙」だったりすると、「脳天気が売り」の私も少しうんざりする。忘却能力が高すぎる。「怪しい肢集」はかなりの頻度で繰り返さないと、とてもじゃないけど来年の試験日に頭に残ってないな。元来のめんどくさがりな私だが、怪しい肢についてだけはアホみたいに反復していこう。ちなみにBGMは、「JAZZ Bar ニコニコ 3号店」と「JAZZ Bar ニコニコ 4号店」。

  • 甲がその所有するA土地につき乙との間で地上権設定契約を締結した。甲乙間に乙はA土地を他に賃貸してはならない旨の特約がある場合に、乙が甲の承諾を得ないでA土地を第三者丙に賃貸し、引渡しをしたときでも、甲は、丙に対して、A土地の明渡しを請求できない。(59-14-3)
○ 地上権者は、設定者の承諾なしに譲渡・転貸をすることができる。地上権の譲渡禁止特約や、担保権を設定しない旨の特約は、債権的には有効であるが、物権的には無効である。
  • 木造家屋を所有する目的で土地を賃借する場合に、存続期間を10年と定めたときは、その定めは無効であり存続期間は30年となる。(2-17-3)
○ 借地借家§3「借地権の存続期間は、30年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。」→30年未満の期間を定めても無効であり(借地借家§9「この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする。」)、存続期間を定めなかったものとして30年となる。
  • 資材置場とすることを目的として土地を賃借する場合に、存続期間を30年と定めたときは、その定めは無効であり存続期間は20年となる。(2-17-4)
○ 資材置場については借地借家法による修正は適用されず、民法の原則による。
→「§604①賃貸借の存続期間は、20年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、20年とする。②賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から20年を超えることができない。
  • ビルの1室を事務所として賃借した場合、存続期間を半年と定めたときはその定めは無効であり存続期間は1年とされる。(2-17-5)
× ビルの1室は、独立した建物として、借地借家法が適用される。
「借地借家§29①期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。②民法第604条 の規定は、建物の賃貸借については、適用しない。 」→期間の定めのない建物賃貸借とみなされる
  • Aが「電線路及びこれを支持するための鉄塔を施設し、保持すること」を目的として、Bからその所有する甲土地について地上権の設定登記を受けていたという事例において、当該地上権が甲土地の全部を対象として設定されたものである場合には、Aは、「電線路(支持物を除く。)を施設、保持し、その架設・保守のために土地に立ち入ること」を目的とする地役権を設定することができる。(10-10-イ)
× 地上権者がその借地のために、又は、その借地の上に地役権を設定することは認められると一般に解されているが、地役権は土地のための権利であるため、本問のような地役権の設定はできない。
  • 地上権者が破産手続開始の決定を受けた場合、それまで地代の滞納がなかったときでも、土地所有者は、地上権の消滅を請求することができる。(11-12-1)
× 法改正で正しい肢だったのが「×」の肢に変わったようだ。このままでの出題可能性は低いといってよさそうだが、消滅請求ができる場合については明確にしておこう。
※土地所有者(地上権設定者)が消滅請求できる場合=地上権者が引き続き2年以上地代の支払いを怠るとき(§266Ⅰ、276:永小作権の規定を準用)
  • 建物の所有を目的とする土地の賃借権を有する者は、その土地の上に登記されている建物を所有するときは、その賃借権を第三者に対抗することができるが、建物の所有を目的とする地上権を有する者は、地上権の登記をしなければ、その地上権を第三者に対抗することができない。(18-13-ア)
× 前半はオッケー(借地借家§10Ⅰ「借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。」)。また、建物の所有を目的とする地上権についても、借地借家法が適用される。
→借地借家§2「この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一  借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。
二  借地権者 借地権を有する者をいう。
三  借地権設定者 借地権者に対して借地権を設定している者をいう。
四  転借地権 建物の所有を目的とする土地の賃借権で借地権者が設定しているものをいう。
五  転借地権者 転借地権を有する者をいう。 」
  • A及びBは、甲土地を共有しているが、隣接する乙土地の所有者Cとの間に、甲土地の利用のために乙土地を通行する旨の地役権設定契約を締結した。この地役権設定契約に際し、地役権は要役地の所有権とともに移転しない旨の特約をした場合において、Aが甲土地に対する自己の持分をDに譲渡したときは、その特約について登記がなくても、CはDの地役権の行使を拒むことができる。(4-12-3)
× 「§281①地役権は、要役地(地役権者の土地であって、他人の土地から便益を受けるものをいう。以下同じ。)の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となるものとする。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。②地役権は、要役地から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができない。 」→281条ただし書きの通り、要役地の所有権とともに移転しない旨の特約をすることができるが、この特約は登記しなければ第三者に対抗することができない(不登§80Ⅰ③)。
※不動産登記法第80条
①承役地(民法第285条第1項に規定する承役地をいう。以下この条において同じ。)についてする地役権の登記の登記事項は、第59条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一  要役地(民法第281条第1項に規定する要役地をいう。以下この条において同じ。)
二  地役権設定の目的及び範囲
三  民法第281条第1項ただし書若しくは第285条第1項ただし書の別段の定め又は同法第286条の定めがあるときは、その定め
②前項の登記においては、第59条第4号の規定にかかわらず、地役権者の氏名又は名称及び住所を登記することを要しない。
③要役地に所有権の登記がないときは、承役地に地役権の設定の登記をすることができない。
④登記官は、承役地に地役権の設定の登記をしたときは、要役地について、職権で、法務省令で定める事項を登記しなければならない。

過去問(共有)

過去問の続き。6月28日にやった分の復習です。BGMは「JAZZ Bar ニコニコ 2号店」。
  • A及びBは、甲建物を共有しているが、その持分は、Aが3分の2、Bが3分の1である。この事例において、A及びBが甲建物を第三者に賃貸している場合には、Aは単独で契約を解除できない。(4-11-ア)
× 共有物を目的とする賃貸借契約を解除することは、利用に関する行為であり、共有持分の価格の過半数で決する。
※共有物の保存・管理・変更
・保存行為(§252ただし書き)=各共有者単独で可能
  ex.目的物の修繕、返還請求、妨害排除請求、不法登記の抹消請求、高順位の抵当権順共有者による消滅した先順位担保権者の抹消請求
・管理行為(§252)=持分価格の過半数で決定
  ex.共有物の賃貸、賃貸借契約の解除、共有宅地の地ならし
・変更行為(§251)=共有者全員の同意
  ex.処分行為(共有物の売買、売買契約の解除)、共有物全体への担保権設定、託児造成など大規模工事
  • 共有物の分割の結果、Aが単独で目的物を所有することとなった場合において、その物に隠れた瑕疵があったときは、分割が裁判による場合であっても、Bは、Aに対して、自己の持分に応じた担保責任を負う。(7-9-ア)
○ 共有物の分割によって取得した物に隠れた瑕疵があったときは、売買の場合と同様に、各共有者は持分の割合に応じた担保責任を負う。裁判によって分割が行われた場合であっても、共有物分割が交換の性質を有していることには変わりがなく、持分に応じた瑕疵担保責任を負う。
  • 共有物について、AB間の分割の協議が整わないときは、Bは、その協議がAの請求に基づいてなされたものであったとしても、裁判による分割を請求することができる。(7-9-オ)
○ §258Ⅰ「共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。」→この請求権は各共有者に認められている。協議の請求をした者であるかどうかは関係ない。
  • A、B、Cが3分の1ずつの持分割合で共有する建物について、Aは、建物の不法占有者Xに対して、建物を自己に引き渡すよう単独で請求することができる。(8-10-1)
○ 保存行為であり、Aは自己に引き渡すよう単独で請求することができる。
※共有物の保存・管理・変更
・保存行為(§252ただし書き)=各共有者単独で可能
  ex.目的物の修繕、返還請求、妨害排除請求、不法登記の抹消請求、高順位の抵当権順共有者による消滅した先順位担保権者の抹消請求
・管理行為(§252)=持分価格の過半数で決定
  ex.共有物の賃貸、賃貸借契約の解除、共有宅地の地ならし
・変更行為(§251)=共有者全員の同意
  ex.処分行為(共有物の売買、売買契約の解除)、共有物全体への担保権設定、託児造成など大規模工事
  • AとBが共有する土地を、Aが勝手に自己の単独の所有に属するものとしてCに売却した場合、AC間の売買契約は、Aの持分の範囲内においてのみ有効である。(10-9-ア)
× 共有者の一人が、権原なくして共有物を自己の単独所有に属するものとして他の者に売却した場合、売買契約は有効に成立する。自己の持分を超える部分については、他人の権利の売買としての法律関係を生じ、自己の持分の範囲内では契約の趣旨に従った履行義務を負う。自己の持分の範囲内においてのみ契約が有効となるわけではない。(最判昭43.4.4)
  • A・B及びCが共同相続した不動産につき、AがB及びCに無断で単独名義の所有権移転登記を経由した上で、これを第三者Dに譲渡して、その旨の所有権移転登記を経由した場合、BがDに対して請求することができるのは、Bの持分についてのみの登記手続きである。(10-9-エ)
○ 共同相続人の一人である甲が、相続財産につき勝手に自己の単独名義の登記をし、これを第三者に譲渡した場合、他の共同相続人は、自己の相続持分に付き登記なくして譲受人に対抗できる(最判昭38.2.22)。この場合に、他の共同相続人の一人が譲受人に対して請求できるのは自己の持分についてのみの一部抹消(更正)登記であり、その範囲を超えて請求することはできない。
  • 一筆の土地の全体について抵当権が設定された後に、その土地の単独所有者から共有持分を取得した第三者は、自己の持分について抵当権の消滅請求をすることができる。(12-10-ウ改)
× 抵当不動産の共有持分を取得した者は、持分について抵当権消滅請求(§379)をすることはできない(最判平9.6.5)。これを認めると、抵当権者に不測の損害を及ぼすため。
  • A、B及びCが父親Xから甲土地を共同相続した。相続分は平等であり、遺産分割協議は未了である。この場合において、ABC間で甲土地の分割について協議が整わない場合に、甲土地の共有関係を解消するためには、家庭裁判所に対して遺産分割を請求すべきであり、地方裁判所に対して共有物分割請求の訴えを提起しても、その訴えは、不適法である。(17-10-イ)
○ §907Ⅱ「遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。」→通常裁判所が判決手続で判定すべき者ではない(最判昭62.9.4)。家庭裁判所に遺産分割を請求すべきであり、地方裁判所に対して共有物分割請求の訴えを提起しても不適法である。

過去問(所有権一般)

今日は暑かった。明日、本試験の日も暑くなるのだろうか。残念ながら今年は記念受験的な状態で明日を迎えることになるが、1年後には合格を手にしてやる。やったるでかん。BGMは「Let Go ( Avril Lavigne )」。行け。
ちなみに、過去問集でのカテゴリーは「所有権一般」だけど、肢別に怪しかったもののほとんどが所有権以外の権利に関するものばかり。まっとうに所有権自体の性質を聞いてくることは考えづらいが、他の権利との比較で怪しくならないようにしよう。
  • 甲所有のA土地に隣接するB土地の所有者乙がB土地を丙に譲渡した。この場合において、乙がA土地について通行地役権を有していた場合においても、その登記がなされていないときには、丙は、B土地につき乙から所有権移転の登記を受けたとしても、甲に対して、通行地役権を主張することができない。(59-11-3)
× 承役地の所有者であった者及びその一般承継人に対し要役地の所有権移転を対抗し得るときには、地役権の移転も登記なくして対抗し得る。(大判大13.3.17)
  • 建物の賃借人甲がその所有者乙の同意を得てベランダを作り付けたときには、そのベランダの所有権は、甲に帰属する。(59-12-3)
× ベランダは建物に付合する。(§242「不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。」)242条ただし書きの通り、本問では賃借人甲が自己の権原にによって付合させているが、ただし書きが適用されるためには、「付合物が不動産と一体化して構成部分になるのではなく、独立の存在でなければならない(最判昭38.5.31)」。ベランダは建物と一体化してもはや独立の存在とはいえず、賃借人甲は所有権を留保することはできない。
  • 共有物を分割しない旨の特約は、動産についてはすることができない。(1-4-2)
× 「第256条①各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。②前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない。」256条1項ただし書きでは不分割特約の対象となる「共有物」を特に絞っておらず、不動産に限るわけではない。
  • 不動産については、留置権は成立しない。(1-4-3)
× 「第295条①他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。②前項の規定は、占有が不法行為によって始まった場合には、適用しない。」→§295Ⅰは「物に関して生じた債権」としており、不動産についても動産についても留置権は成立する。
  • 不動産質権は、登記をしなければ効力を生じない。(1-4-4)
× 不動産質権において、登記は対抗要件であるが、効力要件ではない。
※不動産質権の効力要件と対抗要件
 ・効力要件=①質権設定の合意②質物の引渡し(占有改定は含まず)。
 ・対抗要件=登記。(占有を喪失しても、登記があれば対抗できる。)
  • 抵当権の目的は、不動産に限られない。(1-4-5)
○ 抵当権の目的となるのは①不動産(土地、建物、登記された立木)②地上権③永小作権④工場財団。いずれも、登記によって公示することができ、抵当権の目的とすることができる。
  • A所有の建物甲及び建物乙が、その間の隔壁を除去する等の工事によって、一棟の建物丙となった場合には、建物甲の所有権は、建物丙のうちの建物甲の価格の割合に応じた持ち分となり、Aは、この持分上に抵当権を設定することができる。(15-10-オ)
× 同一所有者間の建物甲と建物乙が一棟の建物丙となった場合には、一物一権主義により、1個の所有権が成立する。持分というものを概念することができず、その持分上に抵当権を設定することもできない。

2008年7月1日火曜日

過去問(即時取得)

物権の過去問の復習はさっさと終わらせよう。BGMはCymbalsの「Neat,or Cymbal!」。
  • AはBに対し、A所有の指輪を売り渡し、占有改定による引渡しをした後、この指輪をCに売り渡し、Cに対しても占有改定による引渡しをしたところ、Dがこの指輪をA方から盗み出した。この場合において、Bは、指輪の所有権をCに対抗することができる。(62-13-1)
○ Bは占有改定による引渡しを受け、対抗力ある所有権を得ている。一方、Cは無権利者となったAから指輪を買ったのだから所有権を取得するには即時取得によるほかないが、占有改定によっては即時取得できず、所有権を取得できていない。したがって、BはCに対抗できる。
  • AはBに対し、A所有の指輪を売り渡し、占有改定による引渡しをした後、この指輪をCに売り渡し、Cに対しても占有改定による引渡しをしたところ、Dがこの指輪をA方から盗み出した。この場合において、判例の趣旨によれば、Cが指輪の所有権を取得することはない。(62-13-2)
○ Bは占有改定による引渡しを受け、対抗力ある所有権を得ている。一方、Cは無権利者となったAから指輪を買ったのだから所有権を取得するには即時取得によるほかないが、占有改定によっては即時取得できず、Cが指輪の所有権を取得することはないといえる。
  • AはBに対し、A所有の指輪を売り渡し、占有改定による引渡しをした後、この指輪をCに売り渡し、Cに対しても占有改定による引渡しをし たところ、Dがこの指輪をA方から盗み出した。この場合において、AはDに対し、指輪の返還を請求することができる。(62-13-3)
○ Aは占有回収の訴えを提起し、返還を請求することができる。
  • AはBに対し、A所有の指輪を売り渡し、占有改定による引渡しをした後、この指輪をCに売り渡し、Cに対しても占有改定による引渡しをし たところ、Dがこの指輪をA方から盗み出した。この場合において、BはDに対し、指輪の返還を請求することができる。(62-13-4)
○ Bは指輪の所有者であり、Dに対して所有権に基づく返還請求をすることができる。
  • AはBに対し、A所有の指輪を売り渡し、占有改定による引渡しをした後、この指輪をCに売り渡し、Cに対しても占有改定による引渡しをし たところ、Dがこの指輪をA方から盗み出した。この場合において、CはDに対し、指輪の返還を請求することができる。(62-13-5)
○ Cは所有権は得ていないものの、占有改定により占有権は取得しており、Dに対して占有回収の訴えを提起して指輪の返還を請求することができる。
  • AがBの無権代理人CからB所有の宝石を買い受けた場合に、Cの無権代理について善意・無過失であるときは、その宝石を即時取得することができる。(5-9-ウ)
× 前主が無権代理人である場合のように取引行為自体に瑕疵があり完全な効力を生じていない場合には、即時取得制度の適用はない。AがCの無権代理行為について善意・無過失であろうと、悪意であろうと、結論は変わらない。
  • 占有者が、占有物の上に行使する権利は、これを適法に有するものと推定されるので、即時取得を主張する者は、無過失を立証する責任を負わない。(5-9-オ)
○ 即時取得を主張する者は、平穏、公然、善意、無過失のいずれも立証する責任を負わない。平穏、公然、善意については推定規定(§186)があり、無過失についても推定されるとの判例(最判昭41.6.9、最判昭45.12.4)がある。
  • 無権利者から代物弁済によって動産の譲渡を受けた場合、代物弁済は弁済と同一の効力を生ずるものであり、取引行為ではないので、即時取得は成立しない。(13-7-エ)
× 代物弁済は、即時取得に必要な無権利者との「有効な取引」に含まれる。
※有効な取引に含まれる場合……代物弁済、譲渡担保、消費貸借、寄託、強制競売、質権設定による質権の取得、本人の代理人から買い受けた場合
  • Aの所有する甲動産を保管しているBが、甲動産を自己の所有物であると偽ってCに売却した場合において、代金支払時にCが甲動産の所有者がBであると信じ、かつ、そう信じるにつき過失がないときは、代金支払後、引渡しを受けるまでの間に、所有者がBでないことをCが知ったとしても、Cは、甲動産を即時取得することができる。(17-9-イ)
× 即時取得における善意無過失の要件は、占有開始時に要求される(§192)。
§192「取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。」
  • Aの所有する甲動産を買い受け、引渡しを受けたBが、債務不履行を理由にその売買契約を解除されたが、Aに甲動産の引渡しをしないまま、これをCに売却し、Cに現実の引渡しをした場合には、Cは、Bが所有者であると信じ、かつ、そう信じるにつき過失のないときに限り、甲動産の所有権を取得することができる。(17-9-オ)
× AとCの関係は、引渡しの前後によって決する。(§178:動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。)Bを起点とする二重譲渡と類似の関係だと見ることができるため。したがって、Aより先に現実の引渡しを受けているCは、Bが所有者であると過失なく信じた場合でなくても甲動産の所有権を取得することができる。

2008年6月29日日曜日

過去問(占有一般)

占有一般の過去問の復習。
  • 占有権の譲渡は、占有の目的物に対する外形的な支配の移転によってのみ効力を生ずる。(63-15-5)
× 占有権の譲渡の態様は①現実の引渡し②簡易の引渡し③占有改定④指図による占有移転--の4通り。外形的な支配の移転がない②③④でも占有権の譲渡の効力が生じる。
※ 占有改定は公示方法として4つの中で最も不完全→質権設定(§344)、即時取得(§192)など、要物性を強く要求するものには不適用。
  • 意思無能力者は、法定代理人によって物の占有を取得することができるが、物を自ら所持することによっては、その占有を取得することができない。(1-6-1)
○ 自己占有の成立要件は①所持すること②自己のためにする意思があること。意思無能力者は自ら物を所持しても占有を取得できない。ただし、法定代理人を通じて取得することはできる。
  • 土地の所有者が死亡して相続が開始した場合、相続人が当該不動産が相続財産に属することを知らないときでも、自主占有を取得する。(3-2-5)
○ 相続人は、相続財産を現実に支配するに至ったか否かに関係なく、被相続人が有していた(観念的)占有権を承継する(最判昭44.10.30)。本来、占有は目的物の事実的支配を基礎として成立するものだが、この判例のように解さなければ、相続人が支配財産を現実に支配していない場合に、相続人が占有回収の訴えを提起できないなどの不都合な結果を生じるため。
  • 悪意の占有者は、占有物が滅失したときは、その滅失が自己の責めに帰すべからざる事由によるものであっても、回復者に対し、損害の全部を賠償する義務を負う。(14-11-エ)
× 悪意の占有者であっても、過失責任の原則により、占有物の滅失につき帰責事由がないときは、回復者に対し、損害賠償義務を負わない。
参考:§191「占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって滅失し、又は損傷したときは、その回復者に対し、悪意の占有者はその損害の全部の賠償をする義務を負い、善意の占有者はその滅失又は損傷によって現に利益を受けている限度において賠償をする義務を負う。ただし、所有の意思のない占有者は、善意であるときであっても、全部の賠償をしなければならない。」
つまり……
・善意・自主占有→現存利益の賠償
・善意・他主占有→損害の全部
・悪意・→→→→→損害の全部
  • Bは、Aからパソコンを詐取し、これをCに売り渡した。Cが詐取の事実を知っていたときは、Aは、Cに対し、占有回収の訴えによってパソコンの返還を請求することができる。(15-9-ウ)
× 占有回収の訴えは、占有を侵奪された場合にのみできる。詐取、横領、遺失により占有を失った場合には、できない。本問では、そもそもBに対しても占有回収の訴えができず、Cに対してできるはずがない。
※占有回収の訴えの相手方(被告)となりうる者は?
 ①侵奪者(詐取、横領、遺失は対象外)
 ②侵奪者からの包括承継人
 ③侵奪者からの悪意の特定承継人
→侵奪者からの善意の特定承継人に訴えることはできない。したがって、本問でBがAからパソコンを「盗んだ」場合でも、Cが盗品だと知っていたときは、AはCに対して、占有回収の訴えができる。
→本問がBがAからパソコンを「盗んだ」場合で、Cが盗品だと知らなかったのであれば、AはCに対して、占有回収の訴えができない。
  • Aは、Bに預けていた壺の返還を求めていたが、Bが言を左右にして返還に応じなかったので、Bの自宅に無断で入り、壺を取り戻したところ、Bから占有回収の訴えを提起された。Aはこの訴訟において、抗弁として、壺の所有権が自分にあると主張することはできない。(15-9-エ)
○ §202Ⅰ「占有の訴えは本権の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない。」Ⅱ「占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。」 そもそも抗弁とは、原告の主張に理由が無いことを主張するためにするものであり、原告が①占有権の存在 ②被告が占有侵害をしている事実--を主張しているのに対し、防御方法として所有権の主張はできない。なお、本権に基づく反訴を提起することはできるうーん、我ながら理由付けが怪しい。民訴がしっかり理解できていないのがばれるな。民訴がもう少しきっちり分かったら、こっそり理由付けを書き直します。
  • Aの自宅の隣接地にあった大木が落雷を受け、Aの自宅の庭に倒れ込んだため、Aは、庭に停車していた車を有料駐車場に停めざるを得なかった。この場合、Aは、当該隣接地の所有者であるBに対し、占有保持の訴えにより大木の撤去を請求することができるが、損害賠償を請求することはできない。(15-9-オ)
× 占有保持の訴え(§198)は、妨害の停止及び損害賠償ができる。このうち、妨害の停止の請求については、妨害者の故意・過失は不要である。一方、損害賠償については、妨害者の故意・過失を要する(大判昭9.10.19)。この損害賠償請求は、不法行為に基づく損害賠償請求としての性質も有するため。本問では、Bの故意・過失に基づく侵害とはいえないため、妨害停止の請求はできるが、損害賠償請求はできない。
※占有訴権の請求内容
・占有保持の訴え=妨害の停止及び損害賠償(例外は上記の通り)
・占有保全の訴え=妨害の予防又は損害賠償の担保
・占有回収の訴え=物の返還及び損害賠償
※占有訴権の行使期間(おまけ)
・占有保持の訴え=妨害の存する間、妨害の止んだ後1年以内(工事着手から1年経過及び工事完成後は不可)
・占有保全の訴え=妨害の危険の存する間(工事着手から1年経過及び工事完成後は不可)
・占有回収の訴え=侵奪から1年以内。

過去問(明認方法、物権の消滅)

民法物権。さくさく進もう。BGMは、引き続き「GAME(Perfume)」。
  • Aが甲土地をBに譲渡し、Bが甲土地上に立木を植栽した後、Aが甲土地を立木も含めてCに譲渡し、Cが甲土地について所有権移転の登記を経由した場合、Bは、Cが所有権移転の登記を経由する前に立木に明認方法を施していれば、立木の所有権をCに対抗することができる。(12-13-エ)
○ 土地については二重譲渡による対抗関係(§177)なので登記で決着するが、立木については、§242ただし書きを類推して、権限に基づく所有権の取得を認めており、明認方法を施していれば第三者に対抗することができる。
参考:§242「不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。」
  • 債務者の承諾なくして留置権者が勝手に留置物を賃貸した場合、留置権は消滅する。(2-4-3)
× §298Ⅱ「留置権者は、債務者の承諾を得なければ、留置物を使用し、賃貸し、又は担保に供することができない。ただし、その物の保存に必要な使用をすることは、この限りでない。」とはいえ、これに違反しても、債務者が留置権の消滅請求ができるに過ぎない。
  • 鉄材の買主甲が、代金未納のまま売主乙からその鉄材の引き渡しを受け、倉庫業者に保管を委託し、引き渡した場合には、乙は、当該鉄材を目的とする先取特権を失う。(2-19-イ)
× §333「先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。」第三者への追求効を取引の安全を害するため。ここでいう第三者は、所有権取得者に限られ、本肢のように取引の安全とは無関係な受寄者に対しては当然に追求できる。
  • 連帯債務者の1人が債権を譲り受けた場合、その債務者の負担部分について混同により消滅するので、残余の部分につき、他の債務者に対して権利行使することができる。(3-22-エ)
× §438「連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は、弁済をしたものとみなす。」他の債務者は全債務を逃れることができる。しばらく債権からはなれたら、こんな肢すらあやふやになってしまった。過去の勉強があやふやだったんだな。反省。

過去問(登記請求権)

民法物権の登記請求権の過去問。BGMは、「GAME(Perfume)」。
  • 担保物権者は、物権的請求権を行使することができない。(1-5-5)
× 担保物権は目的物の交換価値を直接的・排他的に支配する権利。したがって、目的物の交換価値を減少するような侵害行為があった場合は、原則としてこれに対して物権的請求権を行使することができる。

過去問(「不動産物件変動における公示」の続き)

過去問いきます。BGMはCymbalsの「Neat,or Cymbal!」。その後が、EveryLittleThingの「Crispy Park」。
  • Aがその所有する不動産をBに贈与した後死亡し、遺留分の権利を有するAの相続人Cが、遺留分減殺請求をした場合には、Cの遺留分減殺の登記がなされないうちに、Bが、その不動産をDに譲渡して所有権移転の登記をしたときであっても、Cは、Dに対し、遺留分減殺による所有権の取得を対抗することができる。(6-18-ウ)
× 遺留分権利者(相続人)と減殺請求後の譲受人は対抗関係。§1040Ⅰただし書きは適用されない(§177、最判昭35.7.19)。
参考:§1040Ⅰ「減殺を受けるべき受贈者が贈与の目的を他人に譲り渡したときは、遺留分権利者にその価額を弁償しなければならない。ただし、譲受人が譲渡の時において遺留分権利者に損害を加えることを知っていたときは、遺留分権利者は、これに対しても減殺を請求することができる。
  • Aの相続人はB及びCであったにもかかわらず、Bが、Cも相続人であることを知りながら、自己単独名義の相続登記をした場合であっても、相続回復請求権の消滅時効(民法第884条)が完成したときは、Cからの相続登記抹消請求に対し、Bは、相続回復請求権の消滅時効を援用して対抗することができる。(6-18-エ)
× 相続回復請求権の規定(§884:「相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から二十年を経過したときも、同様とする」)は、相続を巡る法律関係を早期に安定化させるという短期消滅時効の趣旨が妥当するため、共同相続人相互間においても適用される(最大判昭53.12.20)。しかし、共同相続人の一人が自己の相続分を超えて相続財産を占有管理している場合に、他の共同相続人の相続権を害することに悪意又は有過失であれば、本条は適用されず、侵害排除請求に対して相続回復請求権の消滅時効を援用して対抗することはできない。(最大判昭53.12.20)。
  • Aがその所有する甲土地をBに売却し、さらにBが当該土地をCとDに二重に売却した。Bが甲土地をCとDに二重に売却した後、Aが未成年を理由に売買の意思表示を取り消した場合には、Cは、その後に所有権移転登記を経由すれば、A及びDに対し、自己の所有権を対抗することができる。(10-14-オ)
× 制限行為能力を理由とする取り消しは第三者保護規定がなく、取り消し以前に所有権を取得したCはたとえ登記を得たのが取り消し後だとしても、Aに対抗できない。また、Cは無権利者となっており、Dに対しても対抗できない。なお、Aが取り消した後にCが所有権とその登記を得たならばA・C間は対抗関係となるが、しっかり区別すること。
  • AとBが甲土地をAの単独所有とする遺産分割協議をした後、Bが甲土地につき勝手に単独相続の登記をした場合、これをAから買い受けたDは、Bに対し、その所有権移転登記の全部の抹消を請求することができる。(13-6-4)
○ Bによる単独相続の登記は実体関係を反映していないため無効である。相続により単独で所有権を得たBから所有権の譲渡を受けたDは完全な所有権を得ており、Bに対して所有権移転登記の全部の抹消を請求することができる。
  • 自己所有の土地上に未登記建物を所有するAが当該土地に抵当権を設定し、Bが競売によって当該土地を買い受けた場合、Aは、当該建物について登記をしていない以上、当該建物の所有権をBに対抗することができず、したがって、当該建物に係る法定地上権は、成立しない。(14-6-ア)
× 土地の抵当権設定当時その土地上の建物に(保存)登記がなかった場合でも、法定地上権は成立する(大判昭14.12.19)
  • Aは、その所有する甲不動産をBに譲渡した後、背信的悪意者Cに二重に譲渡して所有権移転登記をした。その後、Cは、甲不動産を背信的悪意者でないDに譲渡し、所有権移転登記をした。この場合において、Bは、Dに対し、甲不動産の所有権の取得を対抗することができる。(16-11-イ)
× 買主の代理人として行動すべき者が買主になった場合などの背信的悪意者に対しては登記がなくても対抗できる。しかし、背信的悪意者から取得した転得者は前主の背信性に影響されず、登記の欠缺を主張できる第三者に該当する。(イメージ:A→Cを「X」)
  • A所有の甲不動産について、その所有者をBとする不実の登記がされている。この場合において、Aから甲不動産を譲り受けたCは、その旨の所有権移転登記をしていなくても、Bの相続人Dに対し、甲不動産の所有権の取得を対抗することができる。(16-11-エ)
○ 登記記録上、所有者として表示されているに過ぎない架空の権利者は§177の第三者に当たらない(最判昭34.2.12)。また、その包括承継人も同様である。
  • 甲土地が、AからB、BからCへと順次譲渡され、それぞれその旨の所有権移転登記がされた。その後、Aは、Bの債務不履行を理由にAB間の売買契約を解除した。この場合、Aは、Cに対し、甲土地の所有権の自己への復帰を対抗することができる。(17-8-イ)
× 不動産売買契約が解除される前に買主から当該不動産を譲り受けた第三者は、登記を備えている場合には保護される(最判昭58.7.5、大判大10.5.17)。この際、第三者の善意悪意は問わない。

2008年6月27日金曜日

ドアラへの道

講義は第35回目まで終了。物権が終わって担保物権の大枠の紹介まで。ふー。

昼は、図書館で所有権まで過去問を終わらせた。(ブログでの復習は後回し……。)あとは、共有、地上権、地役権だけなので、明日、さくっと終わるはず……っていっても、合計29問か。なめてかかると手強いな。とにかく、あと2日で担保物権まで終わらすという目標を立てちゃったので、明日もがしがし進めたいと思う。

ところで、昨年、一昨年には、土・日曜日で一日中勉強に使える日でも、10~15問程度しか進められなかったような気がする。それと比べ、昨日、今日は、各35問と、私にとっては結構ハイペース。「ドアラ」がよい「ニンジン」になっているかも。

32回、共有まで

共有まで、第32回が終了。それでは、図書館に行って、過去問と奮闘してきます。
  • 共有者が「持分放棄」するには、登記しなければ第三者に対抗できない。
    →持分放棄した共有者がその登記をしない間に第三者に持分譲渡した場合、他の共有者と第三者は177条の対抗関係となる。
  • 共有者の1人が死亡し、相続人不存在が確定したときは、次の順序で行う(最判平1.11.24)。
    ①まず、特別縁故者へ財産分与の対象となる(§958の3)
     「登記の目的 甲持分全部移転
      原    因 年月日民法第958条の3の審判」
    ②特別縁故者が不在の場合は、255条を適用する。
     「登記の目的 甲持分全部移転
      原    因 年月日特別縁故者不存在確定」
  • 共有物の不分割特約は、5年を超えない範囲でできる。
    →5年を超える期間の不分割特約は、5年に引き直されるのではなく、特約自体が無効となる。
  • 不分割特約があっても、持分の譲渡はできる。
    →特約を譲受人に主張するためには、不分割特約の登記が必要。

2008年6月26日木曜日

31回が終わり

第31回を終了。所有権に入り、共有の途中まで。

「Online Study」で受講しているのですが、急に新しい講義を開けなくなってしまい、いったんログアウトしたら、今度はログインすらできなくなってしまった。今はメンテナンス時刻ではないはずだが。サーバーの調子が悪いのか、こっちのパソコンの調子が悪いのか。こういうのを体験してしまうと、オンライン学習はおっかなく感じてしまう。ま、ちょうど30回の節目だし、ぼちぼち切り上げる時間なので、今日についてはこれでちょうど良いのだけれど……。(と思っていたら、しばらく経ったら接続できるようになった。というわけで、31回も受講。)

それにしても、ペースをもう少し上げていきたい。がつがつ進もう。
  • 各種の占有の訴えに対して、本権(所有権)に基づく反訴を提起することができる。(§202)
  • 隣地の竹木は、枝が境界線を越えるときには、竹木の所有者にせん除させることができるが、勝手にせん除することはできない。→プライバシー権(覗いちゃダメ)
  • 共有不動産について、不法行為に対する損害賠償請求は単独でできるが、賠償額については自己の持ち分のみを行使できる。(最判昭51.9.7)

過去問(不動産物件変動における公示)

頭がぼーっとしてきていたので、ひとシャワーあびてきた。シャキーン。再び過去問。BGMはビヨンド・スタンダード(HIROMI’S SONICBLOOM)。このアルバムの中でも9曲目の「I've Got Rhythm」は頭がしゃきっとして目が覚める感じで好きです。
  • 甲は、その子乙に対しある土地を贈与したが、その登記をしないまま死亡し、乙及び丙が甲を相続した。甲がその財産の全部を丙に包括的に遺贈し、丙がその土地についてその旨の登記をした場合には、乙は、その土地の所有権の全部を有することを丙に対して主張することができない。(57-15-2)
× §990「包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。」→丙が単独相続した場合と同様に、乙は丙に対して所有権の全部の取得を主張できる。
  • ある不動産の所有者Aが死亡し、その相続人が甲及び乙である場合において、その不動産につき乙が相続放棄をしたのにもかかわらず、その単独名義に相続登記をし、これを丙に譲渡した場合には、甲は、丙に対して、所有権の全部を主張することはできない。(58-15-4)
× 相続放棄によって権利を取得した他の相続人は、登記なくしてこの取得を第三者に主張することができる。理由:①相続放棄は原則、3カ月以内にしなければならない(§915)ため、第三者が介在する余地が少ないため②家庭裁判所が関与するため、第三者に不測の損害が生じる余地が少ないため。対比:遺産分割協議の場合は、登記が必要。
参考:§915Ⅰ「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。」
  • 甲が自己所有の土地上にある建物を所有者の乙から譲り受けた後、その土地のみについて抵当権を設定していたところ、その抵当権が実行されて丙がその土地を買い受けた場合においても、建物が乙の登記名義のままであるときには、甲は、丙に対して、法定地上権を主張することができない。(59-19-2)
× 登記名義人のいかんに関わらず、「土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったとき」(§388)の要件を満たすので、その建物について、法定地上権が成立する。
  • XがYから甲土地に関して所有権移転を受けたが登記未了だった。XがYから買い受けるに先立ち、Zが20年間占有していたことにより甲土地を時効取得していた場合、ZがXの「登記の欠缺を主張するにつき正当な利益を有する第三者」に該当する。(2-2-ウ)
○ 対抗関係となる(最判昭33.8.28)。問題文が、「ZがXに対抗できる」かどうかを聞いているかと勘違いしてしまった。本問では「対抗関係(§177)となる」かどうかを聞いている。質問の意図を間違えないこと。
  • XがYから甲土地に関して所有権移転を受けたが登記未了だった。ZがYの被相続人から甲土地を遺贈されたがその所有権移転登記を受けていない場合、ZがXの「登記の欠缺を主張するにつき正当な利益を有する第三者」に該当する。(2-2-オ)
○ 対抗関係となる(最判昭39.3.6)。問題文が、「ZがXに対抗できる」かどうかを聞いているかと勘違いしてしまった。本問では「対抗関係(§177)となる」かどうかを聞いている。質問の意図を間違えないこと。
  • Aがその所有する土地をBに売却したが、その登記がされない間に、Aの債権者Cがその土地に仮差押えをした場合であっても、Cが一般債権者にすぎないときは、Bは土地の所有権をCに主張することができる。(4-15-エ)
× 仮差押債権者は、登記がなければ対抗できない第三者に当たる(大判昭9.5.11)。
続きはまた明日。

過去問おさらい(物権変動総論)

物権の過去問に入ろう。BGMはThe Violin Muse~The Best of Ikuko Kawai(川井郁子)
  • 抵当権の設定の登記をした者は、その後、他人の虚偽の申請によってその登記が抹消された場合でも、その抵当権をもって第三者に対抗することができる。(60-8-2)
○ 抵当権設定登記が抵当権者不知の間に不法に抹消された場合には、抵当権者は対抗力を喪失せず、登記上利害関係のある第三者(その後新たに抵当権を取得し登記した者など)に対し自己の抵当権を対抗することができる(最判昭36.6.16)。そりゃ、これで対抗できなかったりしたらかわいそうだわな。
  • 当事者間で合意した代物弁済の目的物の所有権移転時期が経過しただけでは、代物弁済の効果は生じない。(4-10-イ)
○ 代物弁済はその意思表示をするだけでは足りず、登記その他引き渡し行為を終了し、第三者に対する対抗要件を具備したときにその効力が生ずる(最判昭39.11.26)。不動産所有権の譲渡をもって代物弁済をする場合、債務消滅の効力を生じるには、原則として、単に所有権移転の意思表示をしただけでは足りず、所有権移転登記手続きの完了を要する(最判昭40.4.30)。なお、このことは、代物弁済による所有権移転の効果が、原則として当事者間の代物弁済契約の意思表示によって生ずることを妨げるものではない(最判昭57.6.4)。
  • Aが所有する土地上に建物を建築することを請け負ったBは、自らすべての材料を提供して建物を完成させたが、Aが請負代金を支払わないので、自己名義の所有権保存登記を経由した後、この建物をCに譲渡し、所有権移転登記を経由した。この場合、AからCに対して返還請求又は妨害排除請求をすることができる。(11-16-エ)
○ 請負人Bは自ら建築材料を提供しているので建物所有権を原始取得するが、もともと土地利用権限はなくせいぜい黙示の使用貸借が存するにすぎず、使用借権の譲渡に必要な貸主Aの承諾も認められないから、Cはいかなる土地使用権限も取得し得ない。したがって、Aは土地の所有権に基づき、Cに土地の返還請求ないし妨害排除請求をすることができる。
  • A所有の土地上に不法に建てられた建物の所有権を取得し、自らの意思に基づきその旨の登記をしたBは、その建物をCに譲渡したとしても、引き続きその登記名義を保有する限り、Aに対し、自己の建物所有権の喪失を主張して建物収去土地明渡しの義務を免れることはできない。(14-8-エ)
○ 物権的請求権の相手方は、原則的に現に他人の物権を侵害している者である。しかし、他人の所有地に不法に建てられた建物の所有権を取得した者が自らの意思に基づきその旨の登記をした上で当該建物を譲渡した場合には、引き続きその登記名義を保有する限り、土地所有者に対し、自己の建物所有権の喪失を主張して建物収去土地明渡しの義務を免れることはできない(最判平6.2.8)。
  • 一般の先取特権を有する者は、不動産について先取特権の保存の登記をしなくても、その不動産につき未登記の抵当権を有する者に対抗することができる。(19-9-1)
○ §336「一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない。」
  • 根抵当権の一部譲渡の登記は、対抗要件ではなく効力発生要件である。(19-9-5)
× 根抵当権の一部譲渡の効力発生のためには、譲渡人と譲受人の合意及び根抵当権設定者の承諾が必要である。しかし、登記は対抗要件であり、必要ない。

2008年6月22日日曜日

混同

混同(第28回)終了。さて、10時から図書館が開くのでぼちぼち出かけなければ。
今夜には、物権の過去問がばりばり進んだとここで報告したいものです。

明認方法と梅雨

民法の第27回(明認方法)まで。

眠いので今日はもう終わり。窓の外はザーザー雨。梅雨ですね。じめじめ嫌な季節。

明日は民法総則の過去問をおさらいしつつ、物権の過去問もがつんといったるです。過去問デーです。
パソコン不要なので、図書館にいってやってこよう。できたら、占有権の前までやっちまいな>明日の私

2008年6月17日火曜日

物権突入

昨日から物権突入。昨日は20、21回。(ここまでは、たしか6月17日)

先ほど(6月21日午前)、物権の不動産物件変動まで終了(~25回)。

該当分野の過去問もカツカツやってこう。